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見たい、話したい、触れたい。けれどそんな願いはもう叶わない。

元はと言えば、自分が逃げてしまったのが原因で、こうなっているのは自分が悪くて。でも向こうのせいで自分はこうなってて。

どちらも正当化出来ないまま、終わりの見えない考え事はどんどん進んでいく。


君と、ただ笑い合いたかった。




もう別れたんだし、2人にこれ以上迷惑はかけられない。そう思って荷物をまとめてそっと家を後にした。

空を見上げると、ちょうど太陽が登り始めるくらいの時間で、さっきまで暗い部屋に居たから目が痛くてそっと地面に視線を落として駅へと足を運んだ。


駅に着くと、仕事や学校で慌ただしく動く人がたくさん居て酔ってしまいそうになる。


?「阿部?」


後ろから自分を呼ぶ声が聞こえて振り向く。そこに居たのは自分が良く知った人物だった。


亮「ん…照?」

照「なにしてんのこんな時間に」

亮「照こそ」

照「俺はランニング、阿部は?」

亮「あー、俺は……散歩、かな。」

照「…そ。あ、ちょっと話さねえ?」


照が指さしたところにあったのは小さな公園。まだ早朝ということもあり、人気(ひとけ)が一切無い。俺は二つ返事で了承し、照と2人でベンチに腰かけた。


照「…で、どうなの目黒とは。」

亮「別れたよ。」

照「……そっか。悲しくねえの?」

亮「うーん笑、そうだね。なんともないかな。」

照「…じゃあ、」


『なんで泣いてんの。』


亮「へ…。あれ…変だな…。なんでだろ…笑(泣)」

照「はぁ……。」

亮「ご、ごめん、すぐ止まるから…。」

照「いいよ、気が済むまで泣け。」

亮「うん…っ。ありがとう…。」

照「…やっぱ、辛かったんだろ。」

亮「俺……っ。」

照「うん。」


亮*『また…蓮と笑い合いたかった…っ。』*


照「…ったく。」


そう言うと、照はおもむろにスマホを取り出して誰かにメッセージを送り始めた。

それから照は俺が落ち着くまで何も言わずにただ隣に座っていてくれた。


照「俺ちょっと電話かけてくるわ。」

亮「…うん。」

照「帰ってくるまでここ居ろよ?」

亮「わかったよ、笑 行ってらっしゃい。」


照が電話をかけに行き、ベンチに座るのは俺1人。遠くを眺めても視界に入る人は誰も居ない。誰も居ない公園は真っ白の紙みたいで、俺はそこに居るたった一つの小さな点。誰とも交わることは無く、1人で完結している。世界に自分だけが取り残されてしまったようで、心が無になる。


?「亮平!」

亮「……?」


ぼーっと遠くを眺めていると数万回、数億回と聞き慣れた声に名前を呼ばれてゆっくりと振り向いた。




to be continued…

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