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◆最終話(選ぶ、でも離さない)
静かな階段。
3人の距離は、もう限界まで近い。
左右から手を取られて、逃げ場なんてない。
でも——
(逃げたくない)
「けちゃ」
あっとくんが優しく呼ぶ。
「そろそろ、ちゃんと聞かせて」
その横で、
「曖昧なままは無理」
まぜたも真っ直ぐ言う。
空気が変わる。
さっきまでの甘さじゃなくて、ちゃんとした“答え”を求める空気。
(……やっぱり、来た)
わかってた。
いつかこうなるって。
「……選んで」
あっとくん。
「どっちか」
まぜた。
重なる言葉。
逃げられない。
でも——
「……選べません」
静かに言う。
2人とも一瞬止まる。
「それ、ダメなやつだよ」
あっとくんが苦笑する。
「わかってます」
「じゃあなんで——」
まぜたが少し強く言いかけた、その前に。
「2人とも好きだからです」
ちゃんと言う。
震えてるけど、止まらない。
「どっちかなんて、選べない」
静かな空間に、その言葉が落ちる。
「……ずるい」
まぜたが小さく呟く。
「ほんとそれ」
あっとくんも苦く笑う。
でも——
2人とも、手を離さない。
「普通はさ」
あっとくんが少しだけ優しく言う。
「どっちか選ぶもんだよ」
「……はい」
「でも」
少しだけ間を置いて——
「それでもいいって思ってる時点で、俺もおかしい」
その言葉に、まぜたが小さく息を吐く。
「……否定できない」
視線がぶつかる。
少しだけの沈黙。
それから——
「条件」
まぜたが低く言う。
「え……?」
「中途半端はなし」
そのまま、少しだけ近づく。
「ちゃんと全部、俺らに向けて」
反対側で、
「どっちも好きって言うなら」
あっとくんが続ける。
「その分、ちゃんと好きにさせるから」
逃げ場、完全になくなる。
でも——
(それでもいい)
「……はい」
小さく頷く。
「2人とも、好きです」
もう一度、ちゃんと伝える。
その瞬間——
「……ほんとずるい」
まぜたが少し笑う。
でもそのまま、軽く引き寄せる。
「離さないから」
低く、はっきり。
反対側で、
「後悔しても知らないよ?」
あっとくんが優しく言う。
でもその目は本気。
「それでもいい?」
聞かれて——
「いいです」
即答。
迷いなんて、もうない。
その瞬間、
2人とも少しだけ驚いて——
すぐに笑う。
「じゃあ決まり」
「もう逃げられないね」
そのまま、距離がまた縮まる。
でも今度は——
さっきまでと違う。
ちゃんと決まった関係。
普通じゃない。
でも——
3人とも、納得してる。
⸻
◆エピローグ(甘々)
「けちゃ、こっち」
あっとくんに引かれて、
「いや、俺の方」
まぜたにも引かれる。
「ちょ、どっちですか……」
困って言うと、
「両方」
「当然でしょ」
即答。
(やっぱりこうなる……)
でも——
その真ん中で笑ってる自分がいる。