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ー翌朝ー


おかしいな…。今日は承太郎が迎えに来てくれるはずなんだけどな。

時計は8時を回っている。そろそろ行かないと僕が遅刻してしまう。何かあったのだろうか。

しょうがないので、1人で学校へ行くか…。



少しの不安を抱えていつもの道を歩いていると、承太郎からよく聞いている毎回サボりが恒例の先輩がいた。いつもタバコを咥えている。


『おはようございます。またサボりですか?』


『お~?いつもジョジョの隣にいる花京院とやらじゃねえか。今日は一緒じゃねえのか?』


『ええ。実はその事で。承太郎はもう行きましたか?』


『ジョジョならもう行ったぜ?毎回毎回ああも女子にすがりつかれちゃあ大変だろうな~。』


『そうですか…。ありがとうございます!じゃあ、これで!』


承太郎はもう先に行ってしまっていたのか…。先輩を後にし、学校へと急いだ。




変わらず、4時間目のチャイムが校舎に響き渡る。…承太郎は来ないのか?いつもなら、彼から僕のクラスへわざわざ迎えに来てくれている。今日は僕が行ってみよう。



階段を上って、承太郎のクラスをドアの端からチラリと見た。

何やら女子に囲まれている。いつもああなのか?

確かに『やかましいッ!!』なんて怒鳴り散らしたくなる気持ちが改めて納得出来る。


『ねえジョジョ~今日こそ私とお昼一緒にどう~?』


『アンタ!!ジョジョにひっつかないでよ!図々しいッ!!』


『あなたこそどきなさいよ!!今日は私とお弁当食べるのよね~?ジョジョ!』


『…。』


承太郎…?怒鳴らないのか?一体どうしたというのか、腕を組んで俯いている。ここからでは、今いる角度と帽子のせいで表情が読み取りにくい。法皇の緑を出して近づいてみよう。


何やら考え事をしている。さっさと呼んで、今朝のことを聞けば良いものを、なぜか僕は彼を呼ぶことが出来なかった。承太郎も今日は何故か僕を呼びに行く気もなさそうだ。

結局、その日の昼休みは承太郎とお昼ご飯を食べなかった。



放課後になり、いつものように学校の玄関から承太郎の背中を探した。待ってくれているはずだ。…きっと。

他の生徒を掻き分けて必死に探す。



あっ!見つけた!

承太郎は僕の事なんか気にもしないで校門を出ようとしていた。


『承太郎!!待ってくれよ!』


小走りで彼に近づく。


『……花京院。』


『一体今日はどうしたんだい?1度も会わなかったじゃあないか。朝も先に行ってしまうし…。何かあったのかい?』


『……。』


承太郎はただ何も言わず、僕を見つめている。


『なあ、花京院。もう一度聞いてもいいか?』


『え?』


『昨日も聞いたが、噂の殺人鬼ってえのは…。』


僕は何も言わず、しっかりとその言葉を聞いた。


『お前じゃあないのか?花京院。』

承花小説 『偽りと僕と君と。』

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