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「ご、ごめ……!何でもないから」
そう言うのが精一杯だった私は、両手で自分の顔を隠した。
さっき引き止めたことを後悔したけど、だからといって今さら何も変わるわけじゃないし。
とにかく、少しでも早く心を落ち着かせなくちゃ。
「えーと……、体調悪いわけではないんですよね?」
心配してくれてるんだ。本当の理由だけは知られたくないから、早くそれっぽい理由を考えないと。
ダメだ、何も浮かんでこない。どうしたら何も聞かずに帰ってもらえるかな。それは無理かな。
恐る恐る隼人君の方を向くと、想像していたよりも顔が近かったので心臓が激しく波打った。
目が合っちゃったけど、今の私に笑って流せるような余裕は全くない。
コメント
1件
ああ、もう、このもどかしさ……!「ご、ごめ……!何でもないから」って言いかけて止める感じ、すごくわかります。顔隠しちゃうのも、心臓が波打つのも、全部がリアルで胸がぎゅっとなりました。隼人君の顔が近くて余裕なくなる主人公、可愛すぎますね。この絶妙な距離感の描写が安東さんの真骨頂だなあとしみじみ。次が気になります!
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