テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
487
18
マネージャーさんや若井さん、涼ちゃん、そして元貴さんと何度も話し合って、私たちはひとつの大きな決断を下した。
昨日の夜、私の不注意で元貴さんの大切な場所に「影」を落としてしまった。その申し訳なさで、私は朝からずっと生きた心地がしなかった。
でも、元貴さんが「隠すんじゃなくて、君を僕の誇りとして紹介したい」と言ってくれたとき、震えていた心がすっと静かになったんだ。
「……らんちゃん。準備、いい?」
カメラの前に並んで座る私たちの間には、ほんの少しの隙間もない。元貴さんがしっかりと私の手を握り、力強くカメラを見つめる。配信が始まった瞬間、目まぐるしく流れるコメントの速さに息が止まりそうになった。
「彼女は、僕が5年前からずっと大切にしてきた人です」
元貴さんの口から、私の存在が言葉になって世界へ放たれていく。
「スタッフ」として、そして「恋人」として。
画面の向こうにいる何万人もの人たちに、私が「大森元貴の一番大切な人」だと告げられた瞬間、視界が涙で滲んだ。
「彼女を傷つけるような言葉や、好奇の目には、僕が全力で盾になります」
その言葉通り、元貴さんの肩はとても広くて、隣にいるだけでどんな嵐からも守ってもらえるような安心感がある。
配信が終わって、カメラがオフになった瞬間、私は堪えきれずに元貴さんの胸で泣き崩れてしまった。
「ごめんなさい……怖かった……。でも、元貴さんの隣にいられて、本当に嬉しい」
元貴さんは何も言わず、ただ優しく、でも壊れるほど強く私を抱きしめてくれた。
公表したことで、これから心ない言葉を向けられることもあるかもしれない。でも、それ以上に、もう大好きな人の隣で、コソコソせずに「大好き」と言えるんだという喜びに胸がいっぱいになる。
「……らんちゃん。もう、誰にも文句は言わせないからね」
耳元で囁かれたその言葉は、石川の空の下で聞いていたどの歌よりも、今の私に勇気をくれました。
これからは「隠された存在」ではなく、世界中に胸を張って、元貴さんの隣で生きていく。
その覚悟を、元貴さんの体温と一緒に、深く心に刻んだ夜だった。
NEXT明日
コメント
1件