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やっぱり気になる。
あの子が親から貰ったと言っていた痣や傷の中には、とても古そうなものや、反対にとても新しいものがあった。
…あの日あの子は笑ってた。
でも、あの笑顔は、楽しい時や幸せな時の笑顔じゃなかった。
助けを、救いを求めている様な笑顔に見えた。
助けたい。
私は、子供の頃から一人だった。
でも、あの子は、すいちゃんだけは”私”じゃない、”みこ”のことを真正面から見て、認めてくれた。
初めて友達になってくれたあの子に、恩返しがしたい、、、いや、”友達”として、助けたい。
すいちゃんと、話そう。
そして聞こう、彼女はどんな風に扱われ、育てられたのか。
今までどんな思いで、どれだけの悲しみや寂しさを味わって来たのか。
行こう。
3月22日、彼女の誕生日までに、助けて見せる。
「…ふぅ、」
少し、怖い。
でもそれは、彼女の何十倍も少ない恐怖な筈なんだ。
覚悟を決めて教室のドアを開ける。
一目見ただけでわかる、彼女の綺麗な青い髪。
「おはよう、すいちゃん」
出来るだけの優しい笑顔で話しかけると、貴方はビクついて、少し怖がる素振りを見せる。
…もう、決めた。
貴方を変えるのは、見た目からじゃない。
心からだ。
「っ、お おはよう、ございます。」
「…ねぇ、すいちゃん、今日さ、お昼一緒に食べない?」
「…わ、わかりました。」
「ありがとう、でもさ、友達だから、敬語をやめてほしいかな」
「……、わかった。」
「が、頑張ってみる、ね?」
やっぱり、すいちゃんは可愛いんだ。
健気に、言ったことをこなそうとする。
でも、そこに恐怖心が有るのが嫌だ。
彼女がもし、お願いを、”命令”と履き違えて畏怖するのならきっと、。
彼女は恐怖に、他人に縛られて生きることになってしまう。
だから、だからみこは、すいちゃんを”変える”。
…少し緊張している。
でも、今まで見たいな恐怖はない。
そこにあるのは、すいちゃんを助けたい気持ちだけだ、。
「屋上で食べよ!」
暗い彼女には、出来るだけ元気に話しかける。
彼女がみこの家を照らしてくれた。
なら、次は彼女の心を照らす番だ。
少し長い階段を登って、誰も居ないであろう屋上の扉に手を掛ける。
「お先にどうぞ、すいせい様」
「あはっ、私はさくらさんがそうする程偉くは無いですよ」
…笑った。
めっちゃ綺麗だな、美人だ。
…っ、、見惚れてた。
そうだ、ご飯に誘った理由を忘れるところだった。
「…ねぇ、すいちゃん」
「すいちゃんは、すいちゃんのお父さんは、どうしてすいちゃんを殴るの?」
「っ、そんな話、したっけ、?」
「…この前さ、みこが助けた時に言ってた、
「この痣は父から貰ったものだから」が気になって、」
「…もし、もしさ、本当に虐待を受けてるなら、みこ、すいちゃんの助けになりたい、!」
「……そっか、でも、さ、無理、だよ、」
「お父さん、は、、強い、もん、」
「せっかくできた友達がいなくなるの、ヤダよ」
…震えてる。
きっと、幼い頃から暴力を受けたんだな、恐怖が体に染み付いてしまってる。
なら、その恐怖を上回る安堵をあげれば良いだけだ。
「大丈夫、みこは強いから!大切なすいちゃんのためなら、もっと強くなれるんだにぇ!」
「だからさ、もう、我慢しないで?」
「っ、、うん、」
「た、助けて、っ」
「本当は、あんな家にも、戻りたく無い。あんなクソ野郎の世話なんてしたくも無い。友達ともあそびたいっ」
「…っねぇ、みこ、助けて、?」
「…うん、わかった。」