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「うわっ、真っ暗じゃねえか! スマホのライトつけろ!」
アメリカがポケットからスマートフォンをひったくり、咄嗟にフラッシュライトを点灯させた。鋭い白い光が、真っ暗な廊下を一本の線となって切り裂く。続けてソ連もライトをつけ、二つの光が交差した。
「国連は! ブレーカーいけ!」
「わかったで! 気ぃつけてな!」
アメリカの鋭い指示に国連が即座に応じ、水色の瞳を丸眼鏡の奥で光らせながら、足早に管理室の方へと引き返していく。
残されたアメリカとソ連は、ライトの光を激しく揺らしながら廊下の奥へと進んだ。
「……どこだ?」
ソ連がウシャンカの揺れを抑えながら、低く重い声を漏らす。
「そう遠くに行ってないと思うのだが?」
彼らが会議室を出てから、停電が起きるまでの時間はほんの数十秒。いくらイギリスが全力で走ったとしても、この短い時間でそこまで離れた場所へ行けるはずがなかった。
「親父! フランス! どこにいるんだよ!」
アメリカが叫ぶが、返ってくるのは不気味なほどの静寂だけだ。
「おい、ソ連……なんかおかしくねぇか?」
アメリカがサングラスを額に上げ、焦りを滲ませる。
「いつもなら『うるさいですアメリカ!』とか『静かにしなよ』とか、何かしら言い返してくるだろ、あの二人……」
「……あいつらは、今それどころではないのだろう」
ソ連は生まれつき右目が見えないが、その分、周囲の「気配」や「音」を捉える感覚は常人の比ではない。
真っ暗な廊下。何も聞こえない静寂。
いや、違う。よく耳を澄ませば、微かに聞こえるのだ。
カタカタカタ……、チリ……チリ……。
奥の壁際から、何かが激しく震え、ぶつかり合うような、小さく脆い音が。
「アメリカ、光をあそこへ向けろ」
ソ連が槌と鎌を背負った大きな身体を少し折り曲げ、廊下の角、壁の窪みを指差した。
アメリカがゴクリと息を呑み、スマートフォンの白い光をその場所へと向ける。
強い光が映し出したのは――壁に寄り添い、お互いを守るようにして泥泥(どろどろ)の闇に蹲る、二人の影だった。
コメント
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おお、第8話読んだわ!停電からの真っ暗な廊下、スマホのライトだけが頼りの探索ってだけで緊張感ヤバい。そして「何も聞こえない方がおかしい」ってソ連の気づき、めっちゃゾクッとしたわ…。最後の壁際に蹲る2人の影、何があったんだろう。次回が気になりすぎる🔥