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episode 8 お揃いのキーホルダー
(…この、キーホルダーって……、)
黄色の星と、雫の形をした透明のキーホルダー。
そして、黒い水晶玉の形をしたキーホルダー。
星と雫のキーホルダーには、
それぞれIとKのアルファベット。
「なぁなぁ!」
「これだよ、これ!父さんの水晶玉!」
「水晶玉…?」
「そう!水晶玉!」
「俺らの彩とか、いろいろ占えるらしいよ!」
「ふーん…、」
「んでさ、俺といっちゃんの彩を父ちゃんに占ってもらったんだ!」
「え、そ、そうなの…?」
「結果は黒だったんだ。」
「……黒、?」
「わたしは黒なんかじゃなくて……」
「でも、透明ってどんな彩にもなれるんだろ?」
「なら、黒にもなれるじゃないか!」
「なあ、いっちゃん」
「今から雑貨屋行こうぜ!」
「え、雑貨屋…?」
「そ、雑貨屋。」
「俺といっちゃんの絆の証を買いに行くんだ!」
「絆の、証、?」
「そんなもの、買えるの…?」
「そもそもッ、私ときらくんが一緒に居られる証拠なんてッ___」
「…何言ってんだ、いっちゃん」
「離れ離れになっても、心の距離はいつも一緒だろ?」
「きら、くん……」
「あ、ほら!あったあった!」
「雫と、…星?」
「あと、これっ!」
「水晶玉…、それも、黒い?」
「へへっ、今の俺らを現すキーホルダーだろ?」
「……」
「…そう、だね……!」
周りとは違う、キラキラとした笑顔。
とても優しい声。
周りから嫌われている私にも、優しくしてくれた彼。
あの2ヶ月後、私は遠い町に引っ越してしまった。
でも、キーホルダーは常に持ち歩いていた。
________それは、今も変わらない。
コメント
2件
お揃いキーホルダーか… 心があったくなるなぁ〜