《 手 を 繋 い で い て 》
「なぁ、大輝くん?」
「んー?どうしたの、想太」
「……僕のこと、ずっと好きでいてな」
「何言ってるの、当たり前じゃん」
そんな会話をしたのが2週間前
思えばその時から可笑しかったじゃないか
突然、そんな事言いだしてさぁ……
「なんで……っ!!そう、た…ッぁ゙…」
Taiki.sids
「たーいーきーくーん!!!」
「ぅおっ、なぁに想太?」
後ろから飛びついてきたのは可愛い俺の彼女
その頭をふわりと撫でてみれば嬉しそうに
微笑む想太
「あんな?今度の休みここ行きたいんやけど」
「ん?…水族館行きたいの?」
「おん!めっちゃ綺麗なんやって!!」
子供みたいに目をきらきらさせている想太
こんなん断るほうが可笑しい()
「良いよ、じゃあそこ行こうか」
やったー!と、にこにこ笑顔で上機嫌に
それを見てるこっちまで何だか笑顔になるわ
一種の才能じゃん、なんて思いつつ
うきうきですでに何処まわろうか考えはじめた
可愛い大好きな想太を眺めていた
お出かけは楽しかったなぁ
大水槽で泳ぐ魚に上から差し込む光があたり
キラキラと輝く様を眺める想太
その想太の瞳も光に照らされ、宝石のように
輝いているようだった
俺が想太ばっか見てるもんだから怒られたっけ
僕ばっかり見んといてやー!ってね笑
勿論、ちゃんと魚も見てるけど……さぁ、
「想太の方が可愛いし綺麗なんだもん」
「んなっ!?//…、もう先行くで!!」
「あっ、ちょ、想太!?」
ほんとにさっさと進んでっちゃう想太を
急いで追いかけて、小さなその手に指を絡め
手を繋ぐと、小さな声で「ばか、…//」なんて
言うもんだから可愛くて仕方がない
お揃いのキーホルダーも買って、
これまたお揃いの鞄に付けたりして
ずっと大事にしようねって約束もしてね?
この幸せがずっと続くんだと思っていた
これが普通の俺達の日常だと思ってた
でも、一つ欠けちゃったみたい……
いつのまにか、“ 幸 ” は “ 辛 ” に変わっていて
想太には死の影がぴたりと張り付いていた様だ
ピーーッ
無機質な機械音が鳴り響く
そこは真っ白で必要最低限の物しか
用意されていない、病室
俺の目の前には、俺の大好きな寝顔
でも、寝ているわけじゃない
もう、想太は起きない
段々と温もりが消えていく小さな手を握って
俺はただただ泣くしか無かった
「ぅ゙あ゙ッ…ふ、ぅ…そう”、たぁ……泣」
なんでもっと早く気付いてやれなかった
なんで俺に言ってくれなかった
なんで1人で抱え込んでいたんだ
俺はそんなに頼りなかった……ッ?
ぐるぐると想太への怒りや自分への怒り
後悔、絶望、悲しみが入り混じる
「想太…、ねぇっ想太ぁ……ッ」
どれだけ名前を呼ぼうと貴方はもどらない
もう想太とは、はぐれてしまった
「ずっと、愛してるよ……想太」
だから来世はまた、、、俺の隣で笑っていてね
今度はもうはぐれないようにちゃんと
手を繋ぐから
コメント
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えーッッ‼️すき~…🙈💞 小説書くの上手すぎね??🫵🏻 文才すらも追い抜かされてて病みそう😩😩嘘だけど‼️ でもほんと私より上手‼️えぐい😭💞