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『たとえそれが声じゃなくても』
注意書きは第一話をご覧下さい。
水side
水「〜♪」
青「水、えらいご機嫌やなぁw」
僕は生まれつき耳が聴こえない。
小さい時から親に自分は他の人と違うって言われてきた。
環境がよかったのか、いじめられることはなかったし、みんな仲良く接してくれたのでなにも辛くなかった。
だけどやっぱりよく思わない人もいるわけで、電車などで優先席などに座っていると怒ってくる人もいた。
でも、聴こえないのでなにも対応出来ない。
少し生きづらいなぁと思う。
それでも今は青くんというものすごく大好きな彼氏がいるし、楽しく過ごしてる。
青 トントン
水「?」クルッ
青「この後、一緒に散歩でもしない?」(手話)
水「!」コクッ
青くんは僕と出会ってから、独学で手話を覚えて僕のためにたくさん努力をしてくれた。
これ以上最高の彼氏はいないだろう。
青「今日いい天気やな」(手話)
水「ね!気持ちいい!」(手話)
手話をしないといけないから手を繋ぐことが出来ない。
女「ねぇ、この後家来ない?//」ギュッ(手繋)
男「まじ?いいの?//」ギュッ(手繋)
女「うん!いっぱい構って?」
男「しょうがないなぁ♪」
なんて言ってるかは分からないけど手を繋いでいて羨ましい。
青「…」
ガチャッ
水「散歩楽しかったね!」(手話)
青「やな」(手話)
青「手洗ってこいよ〜」(手話)
水「わかってるよ!」(手話)
青「水、ギューしよ」(手話)
水「!?」
突然言ってきた言葉。
今までハグするとお互い手話が出来なくなるからしたことがなかった。
水「なんで急に…?///」(手話)
青「したくなったから?」(手話)
水「!」
ハグしたいんだろうなぁ。
僕が普通の人だったらすぐにできるのに。
青くんとずっとガマンしてたんだよね。
水「…ポロポロ」
青「え、水!?」
青「ど、どうしたんや?💦」(手話)
水「ごッ、ごめんなさいッ……ポロポロ」(手話 )
水「僕がっ…耳聞こえないから…ハグも、手を繋ぐことも出来ない……ポロポロ」(手話)
水「青くんだって…そういうのしたいはずなのに…僕のせいで出来ない…ポロポロ」(手話)
青「水…」ギュッ
水「!」
青「ごめんなッ…気づけなくて…辛い思いさせて…!ポロポロ」
聞こえないけど、息がかかってきてなにか喋っていることはわかった。
水 ギュッ
ハグってこんなに暖かいんだな…。
青くんの体温が伝わってきて、心地よい。
出来ることなら、ずっとこうしていたい。
青「…水、俺の口見てて」(手話)
水「?」
青「あいしてる」
水「!」
僕が読みやすいように、ゆっくり言ってくれた。確かに愛してるって言ってくれた。
水「僕も、愛してる!」(手話)
たとえ障害者でも、愛の強さは誰にも負けない。
僕と青くんはお互いに愛し合って生きていく。
愛を確認していく。
たとえそれが声じゃなくても。