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殺人鬼

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殺人鬼

2 - EPISODE1

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2022年01月23日

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「神崎……お前…もしかしてアホなの……?」


軽蔑の目でこっちを見てくるこいつは、俺の同僚の三枝陽太。


「何が?」


「何がじゃねぇよ…お前、死刑宣告受けただろ…。」


「あぁそれか。」


ここ最近、「未解決事件を解決しろ」と上から指示が来た。


俺は、その中からひとつの殺人事件に目を向けた。


過去に証拠が集まらなかった事件は、ほぼ解決できない。


そのうえ、殺人事件は、人を殺したやつと対峙する可能性──即ち、自らが殺される可能性──があるので、未解決の殺人事件は、「死刑宣告」と呼ばれている。


「いや…なに、ちょっと気になることがあってな。」


「ふーん……何?」


「多分お前はあんまり知らないと思うが…5年前の連続殺人事件と似てると思って。」


「あ〜……もしかして、動機がよくわかんなかったやつ?」


「……多分、それ?」


「へー。」


こいつは自分で聞いといて興味ないのかよ。


ふと、時計に目を向けると、いつの間にか定時。


「じゃ、俺定時なんで。」


ヒラヒラと手を振りながら、三枝は……多分、仕事に取り掛かった。




今この瞬間にも、例の殺人犯は、誰かを殺しているかもしれない。


そんな空想をしながら家路をたどっていると、一人の声があたりの人をざわつかせた。


──ひったくり。


人々の隙間を上手く抜けて、声がする方へ全速力で駆けていく。


目には止まったものの、足が速くて追いつけない。


息を切らして来た頃、フッと裏路地に入られた。


このままでは見逃す……!


倒れ込みそうな体を無理矢理走らせて、自身もすぐに曲がった。


「え」


と、目の前にはさっき逃げていたはずの男。


いきなり体を抑えられ、口に布を当てらた。


空気を求めていた体は、急に止まったことで思いっきり息を吸った。


しまった、と思ったがもう遅い。


周りに助けてくれそうな人はおらず、声も上げられぬまま意識を手放した。


最後に見た男の手には…何も持たれていなかった。




意識を取り戻すと、目の前には灰色の天井。


起き上がって周囲を確認しよう……としたところで、自身の左右でジャラ、と金属の音がした。


反射的に音源を探ると、手首に嵌められた枷が目に入る。


ゾッとして脳裏に浮かんだのは、「監禁」の2文字。


死刑宣告なんて受けるんじゃなかった─。


今になって後悔し、それと同時に恐怖がどっと押し寄せる。


──こういう時こそ、落ち着いていなければ…!


荒くなった息を整え、頭を冷やす。


冷静になった頭で、改めて周囲を確認する。


周りには小さなソファ、ベッドなど…生活に最低限必要なものが揃っている。


逆に言えば、それだけだ。


あとは、なんの面白みもない殺風景な部屋。


唯一の出口である扉から、少しの光が漏れ出ている。


出られるかも、と思ったところで、ガチャとドアが開いた。


「あぁ、刑事さん。おはよう。」


さっきの…!


男は薄気味悪くニコニコと笑って、こちらをじっと見つめている。


隅から隅まで視線が移動して、気持ち悪さを覚えた。


「良くまとまってる、これ。」


ハッと顔を上げて男の手元を見ると、小さなノートが持たれていた。


あれは、俺が今調査している殺人事件についてまとめたものだ。


……目的が読めない。


何のために俺を監禁したんだろうか。

そもそも、誰なんだ。


多分、俺のそんな疑いの目が伝わってしまったのだと思う。


「…そういえば、自己紹介してないね?」


「俺は……うーん、そうだな……」


「殺人鬼…でいいかな?」


「刑事さん、俺の事探してたんでしょ?」


……殺人…え…?


いきなり言われたことに頭が追いつかない。


とてつもなく長い時間が空いた──俺の体感ではあるが──後に、ようやく理解し、直後に嫌な予感が頭をよぎった。


もし、目の前にいるのが本当に殺人鬼であるならば…


もしかして俺、殺される……?

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