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うさみみ
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―阿side―
女優「阿部さんの事が好きです!付き合って下さい!」
阿「…え?」
…
遡る事数時間前…。
今日はドラマの撮影最終日。有難い事に主演に抜擢され、最近は忙しい日々が続いていた。
恋愛ドラマ、という事で、女性のお相手が居るわけで…。それが同年代の超有名な女優さん。ドラマや映画にも俺とは比にならないくらい出てて、最初に聞いた時は驚いた。
主演を張らせて頂くのは初だったし、不安でいっぱいだったけど、今までの放送も評判が良くて、無事、今日俺はクランクアップを迎える。
…
スタッフ「はい、OK!これにて、全てのシーン撮影終了です!」
スタッフさんが俺の方へ向かってきて、大きな花束を渡して下さった。
スタッフ「お疲れ様でした!」
阿「ありがとうございます!」
スタッフ「一言、お願いします!」
阿「初めての主演という事でとても不安でしたが、無事撮影を終える事が出来、最高の作品に出来た事を光栄に思っております。キャストの皆さんを始め、スタッフさんやマネージャーさんなど、皆さんに感謝しております。ありがとうございました!」
パチパチパチパチ
お相手役の女優さんも今日でクランクアップ。
女優「阿部さんと共演するのは今回が初めてでしたが、とても良い人で好きになっちゃいました!ありがとうございました!」
阿「えぇ、笑」
この時は冗談で好き、って言われたんだと思ってた。だから笑って誤魔化して、考えないようにしていた。
…
帰ろうと思って荷物を纏めて、楽屋を出ようとすると、突然女優さんから声を掛けられた。
女優「阿部さん、」
そして、今に至る。
…
女優「阿部さんの事が好きです!付き合って下さい!」
阿「…え?」
冗談だと思ってたのに…、まさか、ガチ?
阿「え、っと…、本当に…?」
女優「はい。私、阿部さんと撮影してる内に、本当に好きになっちゃいました。ずっと、ドキドキしてて…。」
確かに、恋愛ドラマだから、ハグとか、キス、とか…、演じたけど…。ドキドキ、してたんだ…。
女優「私で良ければ、付き合って欲しいんです。」
真剣な眼差しで思いを告げられたからには、ちゃんと考えないと、と思い、「少し、時間が欲しいです。」と回答した。正直、恋愛対象としては見てなかった。でも、共演して、良い方なのは凄く伝わってきて。
曖昧な答え方をしてしまっただろうか、と心配になり顔を見ると、笑顔で「はい、じゃあ、また、連絡下さい。」と言われて、楽屋を出ていった。
…
あれから真剣に考えた。本当に俺は好きなのか、お付き合いしたいのか。相手が真剣に言って下さっている以上、曖昧な気持ちで会うのは失礼だと思った。1週間程じっくり悩んで、俺は答えを出した。
…
阿「お久しぶりです。」
女優「お久し、ぶりです。」
その答えを言う為に女優さんと予定を立てた。近くのカフェに入り、お互い飲み物を頼んで、向かい合って座る。
凄く有名な方で、綺麗で。欠点が見つからない程で、素敵な人。でも俺は…、
阿「この前の、返事なんですけど…、」
女優「…はい、」
阿「お付き合いは、出来ないです。ごめんなさい。」
俺は深々と礼をして、丁寧に断った。
女優「どう、して…ですか?」
断るからにはちゃんと説明しないといけないと思い、1週間で考えた事を、ゆっくり口にする。
阿「俺も共演していて、とても楽しくて。俺が初めての主演で、不安でいっぱいでも、助けて下さって、良い方だ、というのは分かってるんです。尊敬もしています。でも、」
女優「…。」
阿「この気持ちはあくまで1人の女優さんとして、だと思いました。1人の女性として、お付き合いする、というのとは少し違う気がして。だから、ごめんなさい。」
女優「…分かりました…、」
阿「でも、!本当に良い方だと思ってるんです。是非、またお仕事が一緒になったら、よろしくお願いします。」
女優「阿部さん、優しいですね。」
阿「いやいや…、」
女優「後悔させてやる…((ボソ」
阿「…?」
女優「いえいえ、何でもないんです。では、私帰りますね。」
阿「あ、はい、」
女優「ありがとうございました。」
阿「こちらこそ、」
この時、気付いていれば良かった。お店を出ていく時に少しだけ見えた、あの恨みの表情を。
…
数日後、俺は普通に仕事をしていた。今日は音楽番組という事で、SnowMan全員で楽屋で待機中。クイズ番組の収録が近いので、机に向かって勉強していた。
渡「おい、阿部ちゃん、」
阿「え?何…?」
急に翔太が凄い剣幕で話しかけてきた。俺、何かしたっけ…?
渡「やばい事になってる。」
阿「どういう事?」
渡「見てみろよ、これ。」
翔太にスマホを渡されて、画面を見ると、そこには目を疑う内容が書いてあった。
なんと、この前俺に告白をしてきた女優さんが、俺に暴力を振るわれた、という内容だった。
阿「…え?」
痣の写真まで乗っていて、俺が言葉で罵ったとか、殴ったとか、俺の記憶に無いものばかり。
渡「…べ…ん!」
渡「阿部…ん!」
渡「阿部ちゃん!」
阿「…え?」
渡「大丈夫?」
阿「う、ん…、」
正直、頭は真っ白だった。他のメンバー達もそのニュースを見たようで、心配そうな顔でこっちへ駆け寄ってきた。
岩「阿部…これは、事実?」
照が苦しそうな顔で聞いてきた。俺は本当の事を口にする。
阿「…事実じゃない。俺は、こんな事してない。」
岩「分かった。」
メンバーも次々に頷いて、それ以上、俺を疑うような事はしなかった。
阿「…疑わないの?」
不思議すぎて聞いてみた。この状況からして、何で俺の事、信じられるの?
目「阿部ちゃんは、そんな人じゃないです。俺達に嘘なんてつかないし、暴力なんてもってのほか。ずっと一緒にいるんだから、そんな事くらい分かりますよ。」
阿「…泣、」
目「この人との間に、何かあったんですか?」
阿「…告白、された。」
阿以外「「え!?」」
佐「好き、って?」
阿「そう、ドラマのクランクアップの日。だけど、ちゃんと考えて、1週間後に振った。俺が抱いている尊敬、って気持ちは、1人の女性としてじゃなくて、1人の女優さんとしてだと思う、って。」
阿「言い方…良くなかったかな、俺、傷つけちゃったのかな…、」
宮「でも事実じゃないんでしょう?」
阿「うん、暴言も吐いてないし…、手なんてもってのほか。」
向「じゃあ振られたから仕返ししとるっていう事か?」
阿「…でも、そんな悪い人には見えないし…、」
ラ「でも嘘なんでしょ?」
阿「そうだけど…、」
深「阿部ちゃん、庇わなくて良いよ。阿部ちゃんは悪くないでしょ?」
阿「俺の言い方も、相手からしたら酷かったのかもだし…、」
目「優しすぎます、って。一旦自分の事考えましょ?」
岩「どうする?今から…、」
阿「…出るよ。今更穴なんて空けれないし。」
岩「大丈夫?」
阿「…うん、」
この時の俺はまだ甘く見ていたんだ。現代の情報のスピードの速さと、ネットの怖さを。
コメント
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うわ……第1話から重い展開すぎる……😢 阿部ちゃんが誠実に断ったのに、あの女優さんの“後悔させてやる”が怖すぎるよ。 メンバーが全員疑わずに信じてくれたのは救いだけど、これからネットの炎上とかでどんどん追い詰められそうで不安…。 丁寧な心情描写と、ラストの“情報の怖さ”への伏線が胸に刺さった。続きが気になる…!