テラーノベル
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腕の中の温もりがもぞもぞと動いて目が覚める
朝の空気が少し寒いのか、眉間に皺を寄せてぴったりと俺にくっついてくる
「……ん」
「翔太?」
「……………」
名前を呼んでみるが、返事がない
無意識にくっついているだけで、まだ寝ているようだ
布団をしっかりと掛け直して抱きしめてやれば、目元が緩む
その無防備な寝顔が可愛くて、いつまででも眺めていられそうだ
ベッドサイドの時計を確認すれば時刻は8時過ぎ
チェックアウトは10時だから、8時30分頃に起こせば余裕があるだろう
ふわふわの髪を撫でる
昨晩のくるくると変わる可愛らしい表情を思い出す
たった一晩、たった数時間、ちゃんと向き合って話を聞いてあげただけ
そんなことで心を開いてこんなにも身を預けてくれる
彼の見目の良さに惑わされて、目の前の欲に勝てずに、手を出そうとして逃げられた馬鹿な男たち
そういう奴らにどれだけ心を傷つけられ、失望してきたのだろうと不憫に思う
ちゃんと心の繋がりがある安心感を与えてあげたいと強く思った
過去にも何人かとの出会いはあったけど、こんなにも愛してあげたいと思うのは初めてだった
できる限り、彼の瞳を輝かせてあげたい
すぅすぅと寝息を立てる翔太の白くて丸いおでこに口付けをする
その感触に気づいたのか、ゆっくりと瞼が上がり、ぼんやりと見つめられた
「翔太?起きたの?」
「んぅ?……蓮さん?」
「そうだよ、おはよう」
「……ん……おはよ」
「ふふ、寝ぼけてる?」
「ん〜、もっかい」
「ん?なにを?」
「おでこの」
「あぁ、ちゅーね」
もう一度おでこにキスをする
「ふふふ」
鈴が鳴るような笑い声を漏らしながら、ぎゅっと抱きついてくる
「こんなに嬉しい朝、初めて」
「そうなの?これから何回だってあげるよ」
「…………そんなの、幸せで死んじゃいそう」
「ふふふ 可愛いこと言うんだから」
「…………だって、………ほんとだもん」
「寂しくなったらいつでも俺の家においで。抱きしめて眠ってキスで起こしてあげる」
「…………ほんと?」
「うん、ほんと」
「うれしい……」
昨晩とは別人かと思うほどに、あどけないふわふわの笑顔を見せる
「よく眠れた?」
「うん……ものすごくあったかかった」
抱きついたまま下から見上げてくる頬を撫でると、手の暖かさを感じ入るように瞼を伏せる
「ふふふ、俺も可愛い子が腕の中にいたからよく眠れた」
「っ!…………ぁ………そ、そっか」
ストレートに口説けば、驚いて瞼を上げ、俺と目が合った瞬間に頬を染めて視線を彷徨わせる
恥ずかしさに耐えられなくなったのか、顔を伏せてぎゅっと俺の胸に押し付ける
「可愛いね」
「……………ん〜…………ずるいよ、蓮さん」
「ふふふ、ほんとのことだから」
「………………ん」
ふわふわの茶髪を漉きながら頭を撫でる
時折、耳に指が触れると少し体が反応する
試しに耳の淵をなぞってみれば、甘い声があがった
「んんぅ!………なに?くすぐったいよ蓮さん」
しかも本人は無自覚らしい感じだ
(ふぅん………覚えておこ)
「ごめんごめん、翔太は今日はお休み?」
「うん。土日がお休み」
「じゃあチェックアウトしたらブランチにでも行こうか」
「うん!」
「そろそろ起き上がって支度しよう」
「ん、わかった」
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