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星の英雄 ゲズとリオン

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20 - 第20話「失われた記録(レコード)」

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2025年05月27日

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第20章:失われた記録(レコード)
数日後――

ゲズとセレナは、ルシフェルの尖兵との戦いを経て、“とある廃墟”に辿り着いた。


そこは、古代文明の知識が眠る場所――

**「知の神殿」**と呼ばれる、世界でも数少ない禁域のひとつだった。



【1. 忘れ去られた遺跡】


蔦に覆われた大理石の柱、崩れた天井、そして無数の文字が刻まれた石盤。


セレナ「ここは、かつてルシフェルの軍勢を止めた“星の英雄”が眠る場所……

ウカビルの名が最初に刻まれた場所よ」


ゲズ「ウカビル……本当に、実在したのか?」


セレナ「私たちの一族では“神話”として語られていたわ。

でもここに来て、確信したの――彼は本当に存在した」


セレナは石盤に触れると、微かに文字が浮かび上がった。


【第七使徒“ルシフェル”と対峙した男――ウカビル】

【最初の英雄、最初の犠牲】

【記録者によって、彼の存在は封じられた】


ゲズ「……記録者? どういう意味だ?」



【2. 隠された真実】


さらに奥へ進むと、大きな石の扉が現れる。

扉の中心には「星の印章」と呼ばれる紋章――それに、セレナが光を注ぐ。


扉が開いた。

そこには、封印された“映像の記録”が浮かび上がった。


その記録は、こう語った――


「かつて、“全てを終わらせる男”が現れた。

彼の名はウカビル。

ひとりで軍勢に挑み、その魂は囚われた」


「しかし彼は、“完全には死ななかった”。

彼の肉体は利用され、記憶は歪められ、名は闇に葬られた」


セレナ「……まさか、ルシフェルが……彼を……」


ゲズ「ウカビルは“今もどこかで、生かされてる”ってことか……」


石の映像が揺れ、最後にこう告げられる。


【“もし英雄の力が再び覚醒したとき”――

“英雄同士が殺し合う”ことになるだろう】



【3. 揺れる絆】


重い空気の中、セレナはぽつりと呟く。


セレナ「……ゲズ、もしウカビルが……敵として現れたら、どうする?」


ゲズ「……わからねぇ。でも……俺は、過去の伝説より、

目の前の“誰かを守りたい”って気持ちで動く。お前がそうだったように」


セレナの瞳が少し潤む。

ゲズの手が、静かに彼女の手に触れる。


ゲズ「それが間違ってても、俺はお前と一緒に戦いたい。

……これだけは、信じてくれ」


セレナ「……ありがとう。ゲズ……」


二人の距離は、確かにまた一歩、近づいていた。



【4. 遠くで響く、黒き讃美歌】


そのとき、遺跡の奥に眠っていた何かが“目覚める”。


空間が歪み、黒い渦が生まれる。


――そして、そこに立っていたのは。


長身。漆黒の鎧。

その顔はまだ見えないが、ただならぬ“覇気”だけが伝わる。


「……ようやく、ここまで来たか。

星を継ぐ者よ」


セレナが震える声で呟いた。


セレナ「……あれは……まさか、ウカビル……?」

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