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隣にある顔を覗き込みながら質問すると、ケンジさんは人差し指で頬をぽりぽり掻きながら、力なく首を横に振った。
「あの……。実は、エリカさんで3人目なんです。だけど、その――逢っただけで、何もしていないというか」
「何もしてない?」
「はぁ。実際に逢ってみたらプロフの写真と違ってて、お断りしてしまうレベルだったんですよ。写真は長い黒髪で目がパッチリしてる可愛い系だったのに、実際に逢ってみたらショートカットの金髪に、目がすっごく小さくてポッチャリしたコだったり」
身振り手振りで、逢ったときの衝撃を分かりやすく話してくれる。余程ショックだったんだろうな。悲壮な表情がそれを表していた。
「終いには断った途端に怒りだして、サイトでおまえのことを晒してやるって言われてしまって。二度あることは、三度あるって言うじゃないですか。だからもう一度同じ目に遭ったら、諦めようと思っていたんです」
「私で良かったかな?」
あえてタメ呼びしつつ、上目遣いで彼の顔を見つめながら、太ももにそっと手を置いた。断らせないように刺激を与えて、先手を打ってみる。
なぞるように太ももの付け根に移動させて、キワドイ部分に触れそうで触れないように、ゆっくりと撫でる。
「えっエリカさん……。こんな場所で、そんなところを触らないでください」
「ふふっ、ゴメンなさい。何だかケンジさんが可愛くて、つい。それで私で良かったかな?」
ダメ押しと言わんばかりに掠め取るようなキスをしてから、じいっと見つめた。絶対に断らせない自信はある!
「ダメなんて言うワケないですよ。プロフの写真よりも、実際の方がキレイだしそれに……」
「なぁに?」
キワドイところに触れてる手を止めるためなのか、ケンジさんはぎゅっと握りしめてから、自分の胸に押し当てた。
「こんなふうにドキドキさせられるの、すっごく久しぶりだったので。出逢ったばかりなのに、恋人気分を味わわせてもらえて嬉しいです」
「そう、良かった」
胸に当てている私の手のひらには、彼の鼓動がしっかりと伝わってきていて、その感情が嘘じゃないことが分かり過ぎるくらいに分かった。
恋人気分か――だってこれからHをするんだから、そういう雰囲気に持っていった方がお互いに楽だろうし、余計な感情が混ざらなければ、割り切ってその場でさっさと別れることもできる。
いわばこれは、私のテクニックなのにね。