テラーノベル
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このままだと、一生ここから出られない。かといって、選ぶ以外に方法を見つけるのは難しそうだし……。
慎也「ねぇ環奈」
環奈「だから、ちょっと黙ってなさ…」
私は言葉を詰まらせる。
私の視線の先には、今まで見たことのなかった表情をした慎也がいたからだ。
環奈「な、何よ」
慎也「環奈は、ひよりを選ぶべきだよ」
何回言ったら分かるのだろう。
環奈「私は、あんたも、かん…ひよりも、殺す気はない」
慎也「でも、環奈と居た時期のほうが多いわけじゃん」
環奈「それは…あんたも私の幼馴染なんでしょ?それなら時期とか変わんないんじゃ…」
慎也「けど環奈は覚えてない」
慎也「それなら、居なかったのと同じだよね」
環奈「…」
なにも言えなかった。
確かに私の中で、慎也はこの学園に入ってからできた”友達”
私が初めて友情届を受け入れた。けど、それだけ。
本当に幼馴染かも分からない。
そんなやつ。
ひより「環奈ちゃん、どっちを選ぶの?」
ひより「私たちが何を言っても、結局最後、決めるのは環奈ちゃん」
ひより「それなら、何言っても仕方ないんだから。慎也くん、黙っておこう」
ひよりは私を煽ってるのか気にかけてるのか分からない。
校長「ひよりさんの言う通りです。私も長くここに居ることはできません」
校長「手短にお願いしますね」
時間制限はないものの、校長はいつかつけてくるだろう。
環奈「分かった。決めたよ」
校長「では、ボタンを押してください」
私は少し躊躇しながらも、慎也と書かれたボタンを押した。
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