テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
## 『特攻隊長は、爆モテ委員長に捕獲されました。』
# 第8話:覚悟の足音
放課後のチャイムが鳴り響くと同時に、佐久間は教室を飛び出した。
「お、おい佐久間!?」
後ろで渡辺翔太が驚いて声をあげたが、振り返らない。
向かう先は、特別校舎の奥にあるあの生徒会準備室だ。
(待ってろよ、目黒……!)
心臓がバクバクとうるさい。ヤンキー同士の派手なタイマンに向かう時だって、こんなに手が震えたことはなかった。
ラウールに「めめは先輩に『大嫌い』って言われてショックを受けてるだけ」と言われた瞬間から、胸のズキズキは消え、代わりに熱い覚悟がふつふつと湧き上がっていた。
あいつが傷ついているなら、俺のせいで冷たい目をしているなら、俺がその壁をぶち破る。特攻隊長が、一度言った言葉を引っ込めるのは格好悪いかもしれないけれど──あいつに他人のフリをされる方が、一万倍耐えられない。
廊下を猛ダッシュで駆け抜け、古い準備室の前にたどり着く。
ドアは、ラウールが言った通りに少しだけ隙間が開いていた。
佐久間は一つ、深く息を吸って、勢いよくドアを押し開けた。
「目黒っ……!!」
大声で名前を呼んで踏み込んだ室内。
夕暮れの赤い光が差し込む狭い部屋の奥で、古い資料を棚に収めていた目黒が、驚いたように肩を揺らして振り返った。
「……佐久間、先輩」
数日ぶりに、目黒の口から自分の名前が呼ばれた。
それだけで泣きそうになるのをグッと堪え、佐久間は一歩、また一歩と目黒の方へ歩み寄る。
目黒はすぐにいつもの冷ややかな学級委員長の仮面を被り、感情の読めない切れ長の目で佐久間を見下ろした。
「ここには何の用ですか。俺は今、頼まれた作業をしてるんですけど。用がないなら、廊下は走らないで早く帰ってください」
突き放すような、淡々とした声。
だけど、佐久間はもう怯まなかった。
「用ならあるよ! お前と話に来たんだ!!」
「俺は先輩と話すことなんて何もありません。お互い、大嫌いな相手と長話するのは時間の無駄でしょう」
目黒がそう言って、佐久間の横を通り過ぎて部屋を出ようとする。
その瞬間、佐久間は目黒のブレザーの袖を、両手でギュッと力任せに掴んだ。
「離してください」
「離さない!!」
頑なに前を向いたまま足を止めた目黒の背中に向かって、佐久間は胸の奥に溜まっていた本音を、絞り出すようにぶつけた。
「無視すんなよ……! 寂しいじゃんか!!」
夕日の中、準備室の空気がピキリと固まる。
目黒の大きな背中が、微かに強張ったのが分かった。
「前みたいに、うるさいって言えよ……! 制服だらしないって言って、捕まえに来いよ……! お前に無視されるくらいなら、怒られてる方がずっとマシだった……っ」
掴んだ袖が、佐久間の手の震えを伝えていく。
もう、ヤンキーのプライドなんてどうでもよかった。
「俺、お前のこと……本当は、大嫌いなんかじゃ……っ」
そこまで言った時、ガシッ、と強い力で佐久間の手首が掴まれた。
次の瞬間、視界がぐるりと回り、佐久間は強引に振り返らされる。
気づけば、あのワックスがけの日と同じ──いや、それ以上に逃げ場のない至近距離で、目黒が佐久間を壁際へと押し込んでいた。
その切れ長の瞳には、数日間の冷徹さなど微塵もなく、触れたら火傷しそうなほどの熱い感情がギラギラと渦巻いていた。
✂︎————キリトリ線———–✂︎
10話出来てた……
まじでいつの間にやってた?
もう1話出します
予定としては
10話
番外編
今日中に出す
#お悩み相談
コメント
1件
え、ちょっと待って…第8話でこんな展開になるの!?😳 特攻隊長が「寂しいじゃんか」って言うのは反則だろ…!ずっと無視されるより怒られる方がマシって、それ本気の好きじゃん…!最後の体勢、ワックスがけの日よりも逃げ場ない感じでめちゃくちゃアツい。今日10話と番外編も出すってマジ!?𝕔𝕪_𝕣🎧❄️🫧さんまじで執筆速度えぐいっすわ🔥 待ってる!!