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ーあれから30分


ガタガタガタガタ……

ガタンガタガタガタガタドンガラガッシャーン


まただ、、

余震が続いている。


誰もいないはずの校内から、物が倒れる音がする。


「とりあえず、ここにいなさい。先生は救助を呼んだから。」


僕 は聞いた。


「先生。何十人かが学校に来てません。どうしたら安否が確認できますか。」


「お前はここで大人しく待ってなさい。来ていない生徒は自分でどうにか命を守っていることを願う。今は、どうしようもない…… 」


みんな親御さんや友達などに電話をしたくても、なんも繋がらない。


僕は親友が心配だった。


「おーい!アンタの親友いないって聞いたけど……」


「あ、先輩。そうなんですよ……」


アンタの親友が乗っているはずの電車が水没したって……」



「え?」


「生きていることを願うしかないよね……」


「……はい」


「何人かうちの生徒乗ってるらしいし……」


「……」



嘘だ  こんなの聞いてない



あいつの信じ込んでいた地震のことは

本当だったんだ……


生きていると……いいけど、


そう言っているうちに学校の前辺りまで津波が押し寄せていた。


もう校舎の1階は水没した。


周りの家も、店も水没して津波に飲み込まれた。



僕の家は海から遠い。

大丈夫な、はず



「お前両親は無事なのか?」


あまり喋ったことのない男子生徒だ。



「うん。大丈夫だよ」


(家が心配だな……)


ー両親と過ごした思い出の家だから。






僕は両親がいない。


母は病気で。


父は宇宙で息を引き取ったんだ。



父は宇宙飛行士だった。


僕は幼い頃、父に憧れて宇宙飛行士になりたいと思っていた。


「僕もお父さんみたいになりたい! 」

「いつか、なれるといいな」


「うん!」



でも、父が宇宙飛行士になって3年たった時。


父は不具合に気づかず、宇宙に出た。


酸素が不足していて、息を引き取った。


母の治療費を払うために。


母は生まれつき難病で悩まされていた。


僕は健康体で生まれた、

でも、母に元気になってほしかった。


34歳という若さでこの世を去った。

父が亡くなってから、母も僕も鬱になっていたんだ。


今頃天国で父と母は幸せに暮らしてるんだろうな


不幸なことしかない


こんな人生嫌だ。



僕が中学生になった時


席が後ろになった男の子と仲良くなった。


「俺は遥。よろしく!」


その子は機械上手なんだ。

なんでも作れちゃうんだ。

僕はそんな遥が大好きだ。


「お前の名前ってカッコイイよなぁー!」


「そんなの考えたこともないよ……」


「えー。カッコイイ名前だと思うけどな、由来はなんだろう。」


「僕の名前の由来か……わからない。」


(僕も聞きたいよ。)












そんなことを思い出して……僕は何がしたかったんだ。


そうだ。遥は今、どこにいてなにをしているんだろう。


僕はいますぐ行きたいのに。


もう2階まで津波が襲ってきてる。

震度5弱だったのに……じゃあ震度7の地方はどうなっているんだ……?


動けない。


落ち込んでいるうちに、

町は悲惨な姿になっていた。


町が海になっていたんだ。


海で泳いでいる……いや、飲み込まれていく人々が……

どうしようもなく、見るだけしか出来なくて……


助けたい、でも、此処を動けない。


自分が情けなく感じた。

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