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第2章
その夜、大介は布団に横になりながらも、眠れないままだった。目を閉じても、頭の中に浮かぶのは阿部の顔だ。彼の笑顔、やり取りしてきた言葉、そして何よりも、最近感じる微妙な距離感。
その時、ふとスマートフォンが震えた。画面には阿部の名前が表示されている。
「亮平から…?」
普段、阿部から電話がかかってくることはあまりなかったため、電話が鳴ったこと自体が少し驚きだった。大介は慌てて受話器を取る。
「もしもし?」
「大介、ちょっとだけ話したいことがあるんだ。」
阿部の声は、普段の明るい調子とは少し違って、どこか緊張しているように感じた。大介の胸が高鳴るのを感じた。
「話したいこと?どうしたの、急に?」
「いや、ちょっと大事な話があってさ。」
その言葉に、大介はさらに不安になった。「大事な話?どうしたんだろう?」
「今から会わないか?俺、公園にいるから。」阿部が言った。
「わかった、今から行くよ。」
大介は慌てて部屋を出て、外へと足を運んだ。夜の公園。街灯に照らされた道を歩きながら、大介は頭の中であれこれと考えていた。阿部が何を話したいのか、その内容を予想しようとしても、全く想像がつかなかった。