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相変わらず大きい屋敷の前に居る門番にjeが来たと伝えるように頼んだ。
少し待っていると、英厳が慌てた様子でこっちに走って来た。
「あぁ、英厳〜。ごめん、je、ちょっとしくったみたい。内臓が一、二個損傷してるかも」
ちょっと申し訳ないな、なんて思いながら英厳に事の説明をする。
「jeは、もう、走りすぎて疲れた。お腹すいた」
ご主人は疲れちゃったみたい。まぁ、途中までjeをおんぶしてたんだし、仕方がないよね。
英厳は一瞬安心したような表情を浮かべてから、キリッとしたいつもの顔に戻って近くに居た使用人達に命令をした。
「取り敢えず、客間へ通せ!勿論この二人が連れて来た兵士もだ!食料と水を提供し、怪我人の手当てをしろ!」
そんな使用人達に混じって英厳も兵士達の傷の手当てをしている。
やっぱり、英厳は優しい。
そんな事を思いながら、jeは案内された部屋のベッドに横たわった。
流石に血を吐きすぎた。体力ももう無い。こりゃ、暫く仮死状態になるな。
そんな事を考えながら遠のいて行く意識を手放した。
夢の中で、英厳の声が聞こえた気がした。
『ほとんど、俺の為だ。なんて事を言っても信じないだろうな。だから、ただの気まぐれだ。と言っておく』
あの日と全く同じ言葉、何一つ変わらない言葉。
あの日から変わっていない、優しい英厳の言葉。
そんなふうにして、苦しかった戦争も終わりを告げた。