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ワンクッション
研究所内にある部屋を借り、グルッペンとエーミールは着替えを始め身支度を整える。
念のため……
エーミールはわざとグルッペンに見えるよう、ゆっくりとシャツを脱ぎ素肌を露呈させ、背中を見せつける。
わざとではあるが、それとなくグルッペンに見えるように、エーミールは背中の傷をグルッペンに見せた。
エーミールの背中の傷を見るや、グルッペンの目は驚愕を帯び見開かれる。
「エーミール……ッ! その傷は……!!」
ああ、やはり。
やはりそうなのか、グルッペン。
心底驚愕を帯びたグルッペンの声は、エーミールの背負う傷のことを一切知らなかったような、憔悴したもので。
「武器商人など、闇の深い仕事だ。こういうこともある」
口調だけは平静に淡々と返答をするエーミール。
何事もなかったかのように、新しいシャツに袖を通し、背中の傷を再びシャツとベストで覆い隠す。
「……もっと自分を大事にしろ、エーミール」
盛大なため息と共に吐き出されたグルッペンの言葉に、エーミールは飛び出そうな言葉を飲み込む。
どの口が……ッ!
背中に負った傷の中に、どれだけ貴様が刻んだものがあるかも忘れたのかッ!
「……もう年も年ですので、荒事はお任せいたしますよ」
冷静に対処しろ。
感情に任せては、ダメだ。
エーミールは努めて平静を装い、グルッペンにそう言い放つ。
「何言ってんだ。俺より若いだろ?」
「大して変わりはないですよ。さて、食事に行きましょう」
「ステーキがダメならカツ丼がいい」
「もっと胃腸に優しくない」
「せめて何か肉食わせろ」
「相変わらずワガママですね、貴方は」
昔からの軽口を叩きながらのやり取りなのに、だからこそエーミールの心は今にも潰れそうだった。
ーーーーーーーーーー
グルッペンとエーミールが外出の準備をしていると、ナタリーがひょっこりと現れた。
「あれ? 二人とも、どっか行くんスか?」
「ええ。グルッペンの検査が終わったので、食事にでも行こうかと」
「いいな〜、いいな〜、いいな〜」
「……お嬢さんも一緒に行くかい?」
「えっ、いいんスか? やったー!みんなー、グルッペンさんがご飯連れてってくれるってー!」
🐟「やったー! ゴチになりまーす♡」
🇬🇧「私、おいしいフィッシュ&チップスのお店知ってるんですよぉ♡」
🔥「今、電熱炉でクッキー作ってて失敗したので、ありがたいですね。あ、私はお寿司がいいです」
☢️「はっはー!この際だから、高いモン、ガンガンゴチになろうぜーッ」
「やめんかーーーい! エミさん、何とかして……エミさん?」
気がつけば、いつの間にかエーミールの姿が消えていた。
そう言えば、検査が終わってからのエーミールの様子は、どこか変だった。
どこかほっとしたような。それでいて、どこか悲しく苦しそうで
エーミールは、グルッペンが失った何かを知っているというのか。
エーミールに思いを馳せるグルッペンの両腕を、ナタリーとりりか先生が引っ張る。
「お”っ?!」
「いいから行きましょうよ〜♡」
「え? ちょ、お嬢様がたッ?!」
🐟「いいぞ〜、ナタリーさん、りりか先生! そのままグルッペンさん確保して、高い寿司行きましょ~!!」
☢️「財布を逃がすなよ!行くぜ高級寿司!!」
「ちょ、ちょっと待て……ッ!」
グルッペンの抵抗虚しく、薬理集団に囲まれたグルッペンは、連行されていった。
ーーーーーーーーーー
グルッペンを中心に人混みができたのをいいことに、エーミールは静かにグルッペンから離れ、研究所の外に出た。
建物から離れた人の気配のない、鬱蒼とした森の中。
エーミールは一本の太い木にもたれかかると、体の内に燻る得も言われぬ感情を拳に込め、その太い幹に打ち込んだ。
何でやッ!!
何……で……ッ!!
人間に寄生したクリスタルは、記憶を喰らう。
グルッペンは言っていた。
『なにか大事なものを失った気がする』
と。
グルッペンの失った記憶。
それは
エーミールへの『愛』。
【続く】
コメント
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ピンポイントで愛を忘れるか...あと薬理の皆さん後で🍎先生に怒られてそう