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神様仏様しゃいん様、、小説うま過ぎません?!尊敬しが出来ないぜ、
新作だ! 天才エスパー様から一つ予言(こいつ何言ってんの、天才じゃねぇし) これは神作品になる 追記:続き楽しみにしてます
私は『失敗作』________
注意
・地雷注意(mcmt)
・キャラ崩壊あるかも
・誤字脱字あるかも
・二次創作
START
『失敗作』________
この言葉は、この世の誰よりも私に刺さる言葉。
だって、私は褒められることが無い。
得意なことすらも無い。
不器用で、引っ込み思案で。
何をしたって何を頑張ったって、
私は、物心ついた時から、『何も出来ないね』とか『こんな失敗作産まなきゃよかった』とかの罵倒の言葉ばかり。
そっか。私は、失敗作なんだ。
子供ながらにそう分かってしまった。
その最悪な納得は今も心の中に潜んでいる。
そんな『失敗作』な私は、『特別』な人間に憧れを持っていた。
なんでもいい。
別に、『海を渡って活躍するアーティスト』とか『武道館でライブする歌姫』とかじゃなくてもいい。
例えば、『クラスの人気者』とか、小さい特別な存在でもいい。
だけど、そんな小さい特別な存在にもなれない。
またここでも、邪魔をする『失敗作』という言葉。
でも、得意なことは無くても夢中になれる、武器にできる好きな物はある。
好きな物…それは…
…あれ、なんだっけ。
私の好きな物…
………………分かんないや。
「行ってきます」
私は、今日も退屈な学校に出掛ける。
本当なら休みたいけど、また、親に『失敗作』って言われるから、行くしかない。
数分歩いたところに、「ホロライブ学園」という、私が通っている学校がある。
その学園では、猫を被って生活している。
喋り方とかも少し変えて。
普通に生きないと。
周りの人から『失敗作』なんて思われたくない。
空気のような存在だって思われても、『失敗作』って言われるよりは全然マシだ。
そんな感じで過ごしているから、学園で生活すると、疲れる。
登下校中が誰にも邪魔されない休憩時間。
(登校中は、まだ、家出てから何もしてないから休憩って言っていいのか分からないけど。)
「…あーあ、もう着いちゃった」
もっと遠い所を選んで、一人の時間が沢山作れるようにしておけばよかった。
…もう遅いけど。
独特な匂いを放っている下駄箱。
みんなは下駄箱に着いた時、友達に話しかけられたり、登校中にはもう友達と話している人だったり。
でも、私は、友達がいない。
慣れっこだからいいけど。
五月蝿い担任が話している間に、今日のやることを考える。
今日の授業は…サボろっかな。
ホームルームってこんな長かったっけ。
ああ、そっか。
まず、関わる人がいないから、予定がない。
それに、いつも同じようにサボっているし、特に変化があるわけじゃない。
ホームルームが終わり、1限目が始まる。
皆は真剣に授業を受けているだろうが、私は屋上でサボる。
「これも、『失敗作』って呼ばれる原因だよね…」
誰にも聞こえることの無い、愚痴を喋る。
欠けている月が見える。
何故か、その月が私に似ていると思った。
身体がボロボロに欠けていても、空という広い世界に現れる。
何意味わからないことを考えてるんだろ。
バタンッ!
「うわっ」
どこからか大きな何かがぶつかった…音がした。
その音の方に視線を向けると、桜色の髪色をした女の子が立っていた。
私よりも身長が低い。
誰だ?
「星街さあん!」
彼女の口から出た言葉は、私の苗字。
「え?」
「あなたが星街さんだよにぇ?」
「え、あ、う、うん?」
認めてしまった…。
それより、彼女はなんでここに来たのだろう。
っていうか、誰だっけ?
「さ!授業戻るぞぉ!」
彼女が、私の腕を引っ張る。
「だ、誰?」
引っ張られながらも、名前を聞いてみる。
すると、彼女は腕を引っ張るのをやめて、歩くのを止める。
あ、よかった、止まってくれた。
「え〜っ!みこ、星街さんの、クラスメイトだよぉ?!」
「あ、え、そ、そうだっけ?」
…言われてみれば、そうかもしれない、いや、そうだ。
彼女は、たしか、始業式で遅刻したり、転んだり、色んな事をしてた子だ。
名前は確か…
「さくらみこだよ!」
そうだ。『さくらみこ』。
綺麗なエメラルドグリーンの瞳と桜色の髪色。
そして、幼稚園児のような幼い顔立ちに可愛い艶のある声。
そんな、面白くて誰からも人気があるような子が私に話し掛けてきて、おまけに、腕を引っ張られる。
なにこれ。
「あ、あの、さくらさんは、なんで、ここに…?」
「うーん、その呼び方、嫌だなあ」
「え?」
「そうだ!みこは、『すいちゃん』って呼ぶから、すいちゃんは、みこのこと、『みこち』って呼んでよ!」
えー、マジか、この子。
さくらさんとこんなに向き合って話したの初めてなのに、いきなり、あだ名呼びをしろと?
まあ、あだ名で呼ばないと進まなそうだし、呼ぶけど。
「…わかった、み、みこちはなんでここに来たんですか?授業中ですよね…?」
「せんせーに、『星街呼んでこい!』って、みこが任命されたから、来たんだよにぇ〜」
あ〜、あの先生、面倒くさいんだよなあ。
「みこち、先生に、『星街さんは腹が痛いのでトイレ籠ってます』って言っておいてくれますか?」
「うん!わがった!」
「…さよなら」
「あいよー…って、行くわけねえだろ!」
途中まで引っかかってくれてたから、行けると思ったんだけどなあ…
「そんなんに引っかかると思ったか?!」
「…少し、思いました」
「おい!」
…なんか楽しい子だな。
私とは違って、元気で、目に光があって、楽しそう。
…いいな。
「…みこ、星街さんのこと、あまり知らないんだよにぇ」
「だからさ、教えてよ!」
私は目を見開いた。
私について知ろうとする人間がこの世に存在するなんて。
勿論、友達になろうとしてる訳じゃないのはわかっている。
教室に連れ戻すために、クラスメイトとして、知ろうとしているとは分かっている。
だとしても、私について知ろうとする人間がいるなんて。
「まず、名前!下の名前!」
あれ、『すいちゃん』って呼んでるんだから、下の名前知ってるはずじゃ…
「…ほ、星街すいせい…です」
「あ、もう敬語やめてにぇ!」
あだ名呼びで敬語を無くす?
友達じゃん。
相手が嫌がっているなら、辞めるしかないけど。
「あ、うん、わかった」
「次は〜、誕生日!」
その後も、私にとって、地獄のような質問タイムが続いた…
キーンコーンカーンコーン
「あれぇ?!」
チャイムが学校中に鳴り響いた。
そう、私たちは、1限目のこの時間、質問タイムで潰したのだ。
…逆に、質問だけで数十分潰したのすごいな。
「あわわ、これ、やべえよ!せんせーに怒られちまうよ!」
「頑張って、みこち」
「す、すいちゃんも一緒に怒られてくれるよにぇ?!」
「屋上に残るけど?」
「うわあああああああ!」
高等部の3年次(17〜18歳)…だよね?
「ふっ」
「…すいちゃんが…笑った?」
「えっ、」
笑っただけなのに?
「ええ!すいちゃんが笑った!」
「私だって、笑うけど?」
「だって!今まで質問してもニコリのニの字もなかったよ?!」
「そうなの?」
「うん!目が死んでた!」
「言い過ぎじゃない?」
…この子と話すと、本当の自分が出せる。
「と、取り敢えず!教室に戻らないと!」
「行ってらっしゃーい、ばちこん☆」
私が笑顔でウィンクをする。
『ばちこん☆』って言うのは、私が考えた、特別な人間になるために手段(?)の様なものだ。
「へ?」
私がウィンクをすると、みこちが固まった。
…みこちは、私が本当の自分を出すと、驚いたり、固まったりするんだな。
まあ、さっきまで、本当の私じゃなくて、猫被ってる私だったからなあ…
「はっ!固まっちまった…!」
「じゃあ!みこはせんせーに怒られてくっから!待っててにぇ!」
「うん、ここにいるよ、暇だからね」
「暇なら授業受けろや…!」
「やだねー」
「まあ、いいけどにぇ」
「じゃあ、」
『またね!』
「…!」
そうして、みこちはドアを開けて階段を降りていった。
「またね…か…」
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