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そう思った瞬間。
通りすがりの女の子がいた。
綺麗な目。いい香り。今にも勉強しそうな真面目な態度。でも、優しい感じだ。
勇気、出してみようかな。
「あの、すいま、せん。」
恥ずかしがり屋だから、勇気を出すとこうなる。
だから、無視されるかも…
でも、違った。
「こんにちは!どうしたの?」
優しかった。ほっとしていると、
「私の名前は佐々希奇空(ささき きら)だよ!二年生!よろしくね!あなたは?」
そう聞かれて焦った。
「ぼ、僕の名前は…」
声が出ない……どうしよう……。
「どうしたの?」
深呼吸をした。勇気を出そう。自分から声をかけたんだ、頑張らなきゃ。
「ぼ、僕の名前は、咲希翼です。一年生に、なり、ました。」
言えた。よかった。でも、やっぱり無視されるのかな。
「大丈夫だよ!よろしくね!」
奇空さんはみんなと違って優しい。
「あっ!もう授業始まるからバイバイ!何かあったら、二年三組へおいでね!」
そう言って去って行った。ありがとうございますって言いたかったのにな。