テラーノベル
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滉斗さんの話を聞いて、僕は愛されてたんだって思った。でも、僕が普通の子じゃないから、お母さん、疲れちゃったんだよね。それに、滉斗さんも、なんか大変だったみたい。よく分からないことがいっぱいだけど。
「一気に話しすぎたな。とりあえず今日は寝な、おやすみ」
そう言って滉斗さんがこの部屋を出たのが何時間前だったか。
寝れない……なんでか分からないけど、ものすごく寂しい。
どうしたらいいの?1人は嫌だ、誰かのとなりにいたい。
……滉斗さん、寝てるかな
コンコンコン……
「んー?元貴じゃん、ん、入りな」
寝てなかった……のかな、もしかして起こしちゃったとか?
だとしたら申し訳ないな。やっぱり帰ろうかな……
「一緒に寝るか?……懐かしいな」
懐かしい……のか。僕がまだ孤児院に行く前に滉斗さんと一緒に寝たことがあるのかな。ねぇ、本当にどうして、今さら僕を。来るなら、もっと早く来てほしかった。
「大きくなったな……元貴」
僕の頭を優しく撫でる滉斗さんの手は、すごく優しくて温かい。今さら僕を大切にするの?一緒にいてくれなかったのに。僕が1人で頑張ってたのに、滉斗さんは、ここで涼架さんと楽しく暮らしてたんでしょ?
「こんな家じゃなくて、大森のままでいたかったな……」
なんで、このおうちはなんでもあるじゃん。キラキラした服も、お金も。ここにいたらお腹がすくこともないし、いたい思いすることもないのに。どうして?
「元貴と一緒にいたら、もっと幸せだったんだろうな」
僕、このおうちに来てすごくシアワセだよ?滉斗さんは、違うの?僕と一緒にいたかったの?
……なんで泣いてるの、お兄ちゃん。
「……っ!いま、お兄ちゃんって言ったか?言ったよな、元貴……!そうだ、そうだよ。俺が兄ちゃんなんだよ」
うわっ!苦しいよ、そんなに強く抱き締めないでも、僕は暴れないのに。僕がいなくなって、本当に辛かったんだな……。滉斗さんも、僕と同じように頑張ってたのかな。
「ごめんな、辛い思いさせて、守れなくてごめん。でも、もう離さねえから。ぜってぇ辛い思いなんてさせねぇから」
守るって言ってたのは、本気だったの?どうして、謝ってくれるの?僕がお母さんのこと傷つけちゃったから、要らないってされたんでしょ?
「だから、誰も悪くねぇんだよ……誰も」
ねぇ、滉斗さん。どうして滉斗さんは、そんなに辛そうな顔してるの。僕がいなかったあいだ、滉斗さんはなにしてたの。何がそんなに滉斗さん……お兄ちゃんを苦しめるの?
「やっと、やっと俺は兄ちゃんになれた。父さん、俺は守るよ、元貴を。父さんの代わりに、俺が守り抜くから」
僕のお兄ちゃんは、滉斗さんなんでしょ?だから、僕のことを探してくれたし、泣いてたら心配してくれたんでしょ。昔からずっと、お兄ちゃん出来てるんじゃないの?
「明日、元貴のこと教えてくれ。お互いを知って、兄弟をやり直そうぜ」
そう言われて、コクりと頷いた。お互いをちゃんと知れたら、心のそこからお兄ちゃんって言ってあげられるかな。ただいまって笑って言えるかな。
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コメント
2件
現時点での大森さんのシアワセは、生存権的なものが満たされていることであって、人情的なものがないことが切なかったです… 大森さんと若井さん、血だけではなく、心から繋がっている兄弟になれるといいですね! 続き楽しみにしてます!!
#ご本人様には関係❌