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「俺の本科が今日もかっこいい」

「いや俺の本科のほうがかっこいい」

「俺の本科のほうが素晴らしいに決まっている」

「は?」

「戦うか??」

「やるか??」

万屋のあるカフェで今にも戦いそうな山姥切国広が三人。そしてその山姥切国広の本科である長義も三人いた。

もはや見慣れてしまった光景に三人の長義達は特に止めることなく諦めた顔で”ああ、またやっている”と山姥切国広達が座っている後ろの席から眺めていた。

「本科は素晴らしい」

「俺達のこと少なからず嫌いだと思うのに、泣きたくなるほど優しい」

「俺達にとって本科は生きる意味だ」

「同意しよう」

先程の勢いはどうしたのかと思うぐらいにテンションの変わりようが凄い写し達が三人。気づけば頷き握手をしている始末である。

そしてその会話からわかるのが本科に対する愛がとてもつもなく重い。

その会話を見慣れてしまった長義達はスルーして飲み物を飲んでる。最初はそうでも無かったんだが、慣れとは怖いなと悟っていた。ただそう言っても嫌がることはなく、その長義達は満更でもなさそうに口角をあげていた。

なんだかんだ言って嬉しいのだろう。

無論最初は反応してた。特に”俺達にとって本科は生きる意味だ”という発言に対して。それを初めて聞いたときはギョッとしたし、流石に戸惑い詳しく話を聞こうとした。

その時山姥切国広は「何が可笑しい?」と当たり前だろうと言って反応をして首を傾げた。

ずっと前から言っているってよく話す山姥切国広は伝えた。いや1度たりともその話は聞いてないんだが??

悲しきかな、山姥切国広というのは話が伝わりにくい性質であった。


何故この三人の写しと本科が集まるようになったか。まあ、ようは審神者たちが友人で初期刀であった彼らは話すようになったのがきっかけだった。でも最初の話は世間話であり、本科の自慢話しはしなかったんだがある時そのよく話す個体が呟いた。



「…..本科に会いたい」

ボソリと。それは突然に。それを聞いた二人は目を見開いたし彼らもそれに続いて本科…と呟いた。

「…..本科はやはり嫌ってるだろうか」

「本科にまた呼んでもらいたい」

その時ジメジメとした空気はそこにいた審神者たちもびっくりしたし、戸惑った。あとからとうらぶちゃんねるで有名になっていたのはその三人は知らない。

「俺は本科に嫌われたくない」

「……だからこそ俺の主と仲間達には山姥切と言わないでほしいと伝えた」

「….!その手があったか」

「!! 天才か?」

その一人の写しの言葉に二人は反応した。先程の表情と打って変わってキラキラと目を輝かせていた。

ツッコミがいたら何か変わってたかもだが、残念ながらそこには居ない。

 「例え本科に嫌われていても…….いや無理だ。立ち直れない」

「本科……………」

明るい表情からまた暗い表情をさせる三人。君達の情緒激しいなってそこにいた人達は思った。なんならツッコみたかった。まあ勇気が出ないからそのままなんだが。


「立ち直れなくとも本科のこと嫌わないでほしいと思うのは俺だけだろうか」

また会話が途切れ途切れになった時ポツリと呟いた。

「本科の良さを主たちに伝えたら何か変わるのだろうか」

「本科は凄いからな」

「伝えよう、それが写しの努めだと思う」

その同位体の言葉に頷きそうしよう。それが一番いい。そうして三人はそこで解散した。

そして山姥切国広達は自分の本丸へ帰って行ったのだ。



写しにそんな努めないのだが??って言えれたらどんなに良かったか。ツッコミは不在であった。


そして時が経ち、その三人の所属する本丸に本科が顕現された。その三人の写しはとても喜んだし泣いた。その三人の一人は今まで溜めてた過労と本科が来たことでの興奮で体が耐えきれず倒れたのはいい思い出である。

最初はやはり関係は微妙だったのだが、そこは写しが頑張った。とにかく頑張った。一人はその同位体に翻訳してもらい何とか誤解は解けたのだが…..。


そして三人がしてきた本科自慢話。時間があったせいかほとんどの全員に本科の事が知られていた。あんなことやこんなことまで写しは恥ずかしがらず話した。そのせいで主達からの問題は特には起こらず、暖かい眼差しで見てた。それを見た本科は叫んだ。例え自慢できる写しがした事でも本科はそれには耐えれなかったのだ。


まあ何やかんや色々とあり、本科達も連れて恒例の集まりをまだ続けていた。その常連となった人達はよくある事と認識しスルー、”ああ、またか”というように日常の一部にしていた。なんなら楽しみにしてるものまでいた。

山姥切長義達はやはり叫んだ。

まあ仕方がない、本科と写しは縁切れぬ関係性なのだから。


写しが本科を想うのは当然だろ?

金木犀と銀木犀(ちょぎくに)

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