コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
山姥切国広の本科が今日顕現される。
それを聞いたとき俺は泣いた。やっと一緒に生活できると感極まってたくさん泣いた。それを見た本丸の皆は慰めてくれた。
兄弟はそれはもう泣きながら良かったねって俺を撫でて桜を飛ばしていた。俺もつられて飛ばしてしまったのは内緒だ。
そして今日。山姥切長義が来る。俺の大切な本科。これからは一緒だとそう思えれるとニヤケが止まらなかった。この日のためにずっと出陣したかいがあった。あれほど死ぬ気でしたのは初めての事で主に心配され、しかもほん..監査官に引かれてたのは少しショックだった。
気合い入れすぎたのか分からないが軽傷で真剣必殺技を出したら、「え、こわ」と。そう遠くからボソリ言ってたのを俺は聞いたんだ。
心外だな、これも全部お前の為なんだぞ。
そんなこんなであと数刻で主が長義を顕現する。今すぐ主のもとに行きたかったのだが、目の前には書類の山。
たくさんの積もりに積もった書類の山が俺の目の前にあった。
塵も積もれば山となるとはこういう事だったんだなと呟けば「僕も手伝うから…」と同情した兄弟が言った。ありがとう兄弟。だがこれ数刻で終わるか???なんなら俺は昨夜から書類を片付けるのにまだ終わらないんだぞ??数刻でこの量を終わらせるには無理そうだったが出来る限りしよう。無理なら前サボった鶴丸に押し付けよう。
「….死ぬ気でするぞ」
その時の俺は目が死んでいた。君ってそんな顔出きたんだねと通りかかった歌仙に言われた。
….これも全部俺の本科のためだ。
普段走ることは絶対にない廊下を全速力でかける。
遠くから雅じゃない!!って叫ばれたと思うがすまない、今はそれどころじゃないんだ。今度おすすめの菓子屋を教えるから許してくれ!!
バンッッッ
勢いよく目的の部屋の襖をあける。
ふすまを開けた瞬間に顔を覆っていた布が落ちてしまった。普段の俺なら慌てて布を被るのだが今それをしてる余裕はなかった。
二人の顔が俺の方へ視線を向ける。
主に名を言おうとした銀色の髪の瑠璃の瞳を持った刀が俺を映し、そして目が合う。
パチッ
瑠璃と翡翠が交わった時。
視線があった瞬間時が止まったように感じれた。俺達は視線を逃さぬようにジッと見つめ合っていた。
目があった時頭の中が真っ白になった。本科がいる。そう頭で分かっていてもどうしても現実が受け止めきれなかった。これは夢なのだろうか。
けど瑠璃の瞳は俺を見ている。
その事実が嬉しくて、目の前にいるのだと嫌でも分かった。今まで堪えてきた感情が表へと出る。目元があつくなった。
「ほん、か。本科!!!!!」
耐えきれなかった。ずっと会いたかった本科が目の前にいる。それがどうしても嬉しかった。ずっと我慢していたこの衝動が抑えきれるわけもなく、俺は本科に飛びついた。
「なんだいにせも..グフッ」
「本科!!!!会いたかった!!ずっと!!待っていたんだ!!」
「は、?!お、おい!手をはな…痛いんだよ!!」
「お、落ち着け!!切国!!」
主が焦りながら離そうとする。すまない、すまない、主、本科。でももう抑えたくないんだ。
「俺はにせものなんかじゃない。本科長義の写しで国広の第一の傑作なんだ!!ずっと待ってたんだ!!」
涙ながらにいう。しがみついてた腕は弱くなっていて本科にでも振りほどけるほどの弱さだった。
でも本科は振りほどこうとはせず、戸惑いながらも俺のことを見ていた。
やさしいな、本科は。それが嬉しく少しだけ落ち着いた。
暫くしてると上からハァと音が聞こえた。上を向くと苦い顔をしていて、かと思えば優しい顔つきになっていった。その変わりようは早くて、見逃してしまいそうだった。
そしてその優しい顔つきは薄っすらと記憶にある表情と似ていた。
目を見開く。その反動で涙が流れた。
ほんか。自然と口からでていたその言葉は小さくてすっと消えて、きっと相手は聞こえてないだろう。なんせ自分でも聞き取れない声だったから。
「なんだい、俺の写し」
目を見開く。またもや声にもならぬ音が漏れた。俺が言った小さな声だったのに。聞こえないと思ってたのに。なのにそれにも関わらず本科は聞いてくれていた。
それが凄く嬉しく胸がほわほわした。何かが満たされていく。
それでその感覚が嬉しくてまた涙が次々と溢れるばかりで。
「ああ、もう泣くんじゃないよ俺の写し。それほどお前は俺に会いたかったのかい」
手が俺に触れる。
優しく問いかけたその言葉に必死に頷く。どれだけ俺が待っていたと思うんだ。
「ずっと、、、まってた」
「、、そう。とりあえず、、離してもらえるかな?国広の」
….今何と本科はいったんだ?
くにひろと言ったのか。
くにひろと、、、ん、、?国広!?
本科は今なんて言った??国広と俺のことを?!
勢いよく顔を向けると本科は笑っていた。
「どうしたんだい、俺の写し」
優しく俺を見て真っ直ぐに言う本科。
ある時、「俺の写し」と愛しげに言う長義を万屋で見かけた。その目線の先には同位体がいて、微かに本科の神気を纏っていた。それは俺のだと。そう独占欲を感じた。
そういう仲になりたいとはまだ考えていないが、でもいつか、「俺の写し」とそう言われればいいなと少しだけ希望を抱いてしまって。でもそう思ってた願いは早々に叶ってしまった。難しいだろうなと諦めていたのにも関わらずだ。
そして俺は、、、俺は本科の笑顔に耐えきれず意識を失ってしまった。すまない、本科のせいではないんだ。ただ俺が耐えきれないだけであって….
「ん、、?偽物くん!?おい!!」
「は?!え、切国いいいいい!!!誰か!!薬研を呼んでくれ!!!!」
「どうしたんだ!?主!!」
その後過労で倒れてしまった写しはしっかり本科に世話をしてお説教をされた。それを遠目で見てた仲間と主は涙ぐみながらホッと安心をして夕飯は赤飯に変更された。
_____________________
山姥切国広
本科が来て嬉しい。本科が顕現されるまでずっと書類仕事をしていた。これも全て本科のため。
ちょうど間に合ったがずっと我慢してた衝動で暴走。そして気を失う。でも満足な写し。
山姥切長義
監査官の時から少し気にかかっていた。そしてまさかの待っていた発言を聞きかなり驚いた。
表情がコロコロとかわる写しを見て満足したが気を失ったのを見て冷や汗をかいた。
これからたくさん構うつもり。
山姥切たちの審神者(審神者名:鴉)
いつも迷惑かけてすまん、俺の初期刀。飛びついた山姥切国広Lv90に冷や汗をかいた。
後半は空気になりながらも見守っていた。
よかったね、ずっと待ってたもんな。
襖
無事お亡くなりになった。