テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夢莉さんが連れ去られてから3ヶ月。私はひとまず人間の街に降りた。何があっても生きないといけない。
「キャン!キャンキャン!」
「アイラ、これが食べたいの?」
「キャン!」
狐になったアイラは、狐の生活に何とか馴染んでいる。凄い、私には無理だと思う。アイラには馴染む力があるのかもしれない
そういえば、夢莉さんが言っていた引き出しの3段目には手記があった。そこには、アイラの正体、教えられてなかった魔法。
世界史、魔族のことや天狗のことなどなど
教えられてなかったことが沢山書いてあった。夢莉さんはどこまで私のことをお見通しなんだろうか。
「アイラ、これからどうしようね?」
「キャン……?キャンキャン!」
(度々話しかけているけど毎回なんて言ってるか分からない……)
そんな感じで夢莉さんが連れ去られた後、私は冒険者になった。まだ時々夢で夢莉さんのことを思い出す。起きたら泣いていることもある。まだまだトラウマは消えないのかも?
「あんた?冒険者かい?」
「そうです。」
「それなら1600銅貨やるから、あの森に住む。魔獣を討伐してくれないか?」
(1600銅貨?そんなにくれるの?魔獣を討伐するだけで?何か裏がありそうだな)
※1銅貨で10円
「何故そんなに報酬が高いのですか?」
「あの魔獣は過去に何度も冒険者に依頼を出したんだけど、何度も失敗してね。」
「そうですか。」
少し危険だけど、魔獣に人がまた食われるかもしれない。行かないと。
(確かあのおばあさんが言うにはここら辺で……)
『グオオオオオオオオン!』
突如、華澄の後ろで獣の方向が聞こえた。
(気配を感じ取れなかった!?)
その大きな図体をしたよく肥えた魔獣は華澄に向かって魔力弾を放った
(速っ…… )
大きな魔獣は小さな魔力弾を何個も放出し、華澄に向かって放った。
(これ、ちょっとやばいな)
「妖術 雷刃」
この技は雷を纏った斬撃を出す妖術である。単体でやると避けられて終わりだが、複数になった時効果が発揮する。
雷刃は食らうと身体が強烈に痺れてしまう
『グオオオオオオオ!』
(耐えれると思って直撃を食らった。よしこれで終わり!)
『グオオオオオオオン!!』
「は?」
大きな魔獣は華澄の妖術をくらいながら大暴れし、華澄を潰そうとしている
(やばい)
その時、華澄は信じられないものを見た。
本物に聖なる力を見たのだ。穢れたものが一切入っていない純正な聖神力を。
「…………………は?」
華澄が呆気に取られていると
「え!?ちょちょちょっと!うわ、なんだこいつ!?」
1人の高校生ぐらいの男が出てきた。
(は?どういうこと?状況が理解できない)
「逃げてて」
華澄は剣 を取り出し、魔獣に斬りかかった
(なかなかしぶといな、本気出すか)
「地華雷!」
「グワアアアアアアア!」
そう叫びながら、最後の自爆を魔獣はしようと体から魔力を大量に放出した。
(まずい!)
「捕まって!」
「え?」
華澄は高校生の手をグイッと引っ張り、そのまま翼をひろげ、空を飛んでその場から離れた
「高い……!」
さっき華澄がいた場所には半径3mほど更地になっていた。
(あ、危なかった……)
「あの!大丈夫ですか?」
「………別に」
「良かったです!」
「そんなことより、さっきの聖なる力はあなたの?」
「あの、聖なる力っていうのは分かんないんですけど、なんか女神様?的な人に『あなたは世界を救う勇者。世界に闇をもたらす魔王を打ち倒すのです。』って言われてここに来たんですけど」
あの聖なる力は女神様の力か、ん?
「勇者なの!?」
「らしいっぽいです。 」
「勇者が魔王討伐……か。ちなみに本当魔王討伐するの?」
「え、えっーと?女神様に言われちゃったんで魔王討伐ですかね?」
「着いてっていい?」
「もちろん!俺だけじゃ不安なので……」
「それじゃよろしく」
「よろしくお願いします!」
「それじゃ名前は?」
「あ……山本悠也って言います。珍しいと思うんですけど……」
「もしかして日本人?違ったら申し訳ないけど」
「知ってるんですか!?もしかしてここにも日本が!?」
「いや、ここには日本はないけど私が元日本人だから」
「えええ!?え、ええええ!? 」
(そんなに驚くことかな?)
「え、元なんですか?」
「日本で死んでから1年半ぐらいこの世界に来てる。別人に憑依したみたいだけど」
「自分も死んじゃったんですけど、なんか女神様が出てきてこうなったんですよね」
「私出てきてないんだけど」
「それは……なんで俺なのかも分かんないんで」
「私も勇者だったらなぁ」
「そういえば、名前ってなんて言うんでか?」
「璃稔華澄」
「日本人の名前ですか?」
「いや、この世界の名前。」
「この世界って洋風じゃないんですか?」
「………和風の里に生まれたから」
(あれ?私って天狗の翼さっき出さなかった?確か夢莉さんの手記には天狗である事を隠せって書いてあったような)
「じゃあさっきの翼は?」
(…………やらかした…… )
「…見なかったことにして」
「あー……分かりました!」
(絶対天狗だってバレた)
「そうだ、一緒に冒険するなら」
「なんですか?」
「アイラー出てきていいよ」
鞄に入っていたアイラが出てきた
「キャンキャン!」
「わっ!狐ですか?」
「キャンキャン!」
「アイラって言うんだ」
「へぇー、アイラ!お手!」
「犬じゃ無いんだからするわけ無いでしょ」
「でもしましたよ!」
「アイラ……」
(人としての尊厳は?)