テラーノベル
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まさかこの世界で日本人と出会うとは……というか私が日本人だった事を忘れかけていた。
「華澄さんって日本人だった時、どんな人だったんですか?」
「別に普通の社会人。趣味も特にないつまんない人」
「え?華澄さんって何歳だったんですか?」
「女性の年齢をズカズカよく聞けるね。別にいいけど」
「すみません!つい……」
「確か27歳だった気が」
「覚えてないんですか?」
「社会人になったら年齢を忘れてくから」
「えええ……そうなんですか?」
「悠也は?」
「俺は17です。ていうか今の年齢って俺より年下に見えるんですけど、何歳なんですか?」
「14歳」
「中学生くらいですかね?」
「まぁね」
「じゃあ、今は俺の方が年上ですね!」
「…………」
「冗談ですっ!!」
「いや、そうじゃなくて今日買い出し行ってない」
「え?あっ!?………忘れてました!行ってきます!」
(騒がしいな)
私と悠也で魔王討伐の旅を始めた。魔王城はかなり遠いらしく最低でもここからだと5年はかかるらしい。今いる場所は南西で魔王城は北東。真逆の位置である。
(にしてもなん女神様は勇者に魔王討伐を託したんだろう。魔王って悪いイメージとか今のところ感じない。まあ天狗の里襲ったけど。それは一旦置いといて、逆にそれ以外で人類に魔王が何かしたと言うとそうでもないらしい。この前歴史本を買ったけど人類の歴史に魔王が出てきた事はなかった。魔王は他の種族を滅ぼしたことはあるが人類にはないらしい、不思議だ。女神様は人類を愛していると神話に言い伝えがあるらしい。分からないことが多すぎる)
「買い出し終わりました!ぼーっとしてどうしたんですか?」
「いや、考え事」
「何を考えてたんですか?」
「魔王について」
「あー、俺も調べようかな」
「いる?人類の歴史と魔族について」
「そんな分厚い本2本も持ってたんですか…?」
「この前買った」
「いつの間に……この本めっちゃ難しそうですね」
「読破するのに2週間かかった」
「この本1冊で!?」
「1冊で」
「やっぱ大丈夫です」
「歴史を知ることは大事だよ」
「大丈夫です!」
「………そう」
(なんか俺悪いことしちゃったかな?しかも無表情なの怖い!)
「…………… 」
(そして少し気まずい。本当に華澄さんって何考えてるかまっっったく分からない!!)
「ねぇ」
「な、なんですか?」
「私達って魔王討伐が目標だけど魔王にはまだ遠く及ばないでしょ?」
「そうですね。旅のと一緒に鍛えてく感じで計画してますけど」
「このままだと魔王にボロ負けする」
「まぁまだ5年ありますから!」
「この調子だとそんな事をダラダラいいながら死ぬ」
(痛いとこつくなぁ!)
「鍛えろってことですか?」
「(コク)」
「俺、一応戦闘の基礎は華澄さんに叩き込まれましたけどそれじゃ流石にやっぱ足りないですかね」
「もちろん」
「ですよね……何したらいいと思いますか?」
「武器は何を使う?」
「やっぱり剣ですかね!」
「じゃあ素振り50回と走り込みでこの村1周、それが終わったら私のとこに来て。」
「この村ですか……?」
「だいたい1周7、8kmぐらい」
「キツくないですか!?」
「キツくなかったら修行じゃない」
「修行なんですか?これ」
「私の育ての言葉、修行じゃないけど毎日やってたら絶対強くなる」
「それは絶対そうなんですけど」
「とりあえず素振り、指導するから」
「行ってきます……」
「ちょっと違う、少し上に」
「こうですか?」
「そう」
「はぁ、はぁ、これ地味にキツイ」
「猫背になってる、姿勢を正して」
「俺この前まで普通の男子高校生だったんでもう少し減らせないですかね?」
「私も少し前まで普通の社会人だったから無理」
(華澄さんになんも言えねぇ! )
「や、やっと終わった……」
「次は走り込み、行くよ」
「せめてもう少し休憩させてくれません?肩が壊れそうなんですけど」
「はぁっはぁっはぁっはぁっ」
「ふぅ……流石に疲れた」
「ちょっ……華澄さん体力どうなってんですか……」
「次は木刀でお互いに相手を叩けたら勝ち」
「色々ツッコミたいんですけど、とりあえずその木刀はどこにあるんですか?」
「ここ」
そこにはいつの間にか木刀が2本あった
「いつの間に……」
「悠也からでいいよ 」
(えー……でもこの地獄の鍛錬を終わらせられるなら……!真正面からじゃ流石にやられるよな……なら!)
(正面から?いや違う、フェイント!横から)
『カンッ!』
木刀が強くぶつかり合う音が響いた
(防がれた!やっぱ華澄さん強い!)
そう思った次の瞬間背中に木刀が刺さっていた
「うっ!」
「私の勝ち」
「ちょっとは手加減してくださいよー」
「……………」
「なんで何も言わないんですか!?」
(今の打撃、 重かった。それに戦闘経験のない高校生が力の差を理解してそれに対応する作戦を瞬時に思いついた。これは)
「なんでまじで何も言わないんですか!?大丈夫ですか?気を失ってないですか!?」
「ごめん、考え事してた。あと、肩ブンブン揺らすのやめて」
「良かった……ていうかさっきから何考えてたんですか?」
「なんでもない」
「えー!教えてくださいよー!………あれ?」
「どうした?」
「アイラは?さっきまで宿にいましたよね?」
「あれ?アイラー?」
「キャンキャン!」
(泥まみれになってる……!)
「洗わないとですね」
「キャン……?ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛」
(いよいよペットになってきている………犬じゃん……)
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