TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

一覧ページ

「転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。」のメインビジュアル

転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

16 - 第16話 アルムおじいちゃんからの、少し早めの誕生日プレゼントが届いたよ。

2024年01月10日

シェアするシェアする
報告する

ピコン! と音が聞こえてなんだろうとフラットを見る。

『ナギ、アルム神様からのお知らせみたい』

『わかった。見てみるよ』

お知らせって、メールって事かな。

ちょっと待ってくださいねとステータス画面を開いた。

うん、メールが来てるよ。

今開いた方がいいかな。お知らせの音が鳴ったくらいだから急ぐんだろうね。

えっと……


++++++++

ナギ・ワシュウ殿


久しぶりじゃの、ナギ。

元気そうでなりよりじゃ。


儂は少々心配事がある。

もうすぐ戦争が終わる。ギルマスとやらが言っておったとおり、かなりの人が流れ込んでくるのじゃ。それも良くないものらが七割と思うてくれ。儂はそのあたりのことには手が出せん。偶然とは言え、フラットが側におるからまだマシじゃが、相手が人となればフラットには不利になることが多い。よかれと思うても、人に手を出せばただの魔物として判断されるのじゃ。それ故、儂は考えた。

眷属を増やそうと思うたがの、眷属が増えればお前の負担も増える。それも考えたのじゃ。

それでお前に新しいスキルを与えたのじゃが、詳しく説明せねばと思うての。

ユニークスキルで『クリエイト』というものじゃ。

これはかなり便利に仕えるスキルでの、材料さえあれば料理もできる、小さければ家でも建てられるぞ。

そのうえ、魔法も作る事ができるのじゃ。足りぬ材料はお前の魔力ということになるがの。

お前に与えておる複合魔法というものは、結果を考えて魔法と魔法を組み合わせて発動させるものじゃ。それに比べて『クリエイト』は違う。魔法使いが使う魔法ではなく、お前が作りたい魔法を作れるのじゃ。

もちろん創造魔法でも作れるがお前にはまだ無理じゃ。かなりの魔力を要するからの。それに比べてこのスキルは多少の魔力は使うが魔法を作る時だけじゃ。発動するときには、内容によって必要魔力は違うがの。

ナギが必要じゃと思う魔法を作っておけば良い。お前の中に魔法リストがあると思うが良い。ここにスキルで作った魔法を、名前を付けて保存しておくようなものじゃ。いつでも発動できるようにの。

創造魔法ならば魔法を作った瞬間に同時発動できるのじゃが、クリエイトは魔法を作って、それから発動するという違いがある。とっさの時には間に合わぬ事もあるやもしれぬの。それ故のスキルじゃ。


様々なものが作れる『クリエイト』スキルは便利じゃから、使いこなせばかなり楽になる。

例えば、食事などは食材を取り出して作りたいメニューを頭に思い浮かべてクリエイトじゃ。それならば、疲れているときでも問題なく食事ができる。ペンキをおいて、家の外側を塗装することもできる。

小さな家を作ることができると言うたが、大きめの小屋ほどじゃろう。例えばじゃが、その小屋をテント代わりに空間に入れて持ち歩くこともできるのじゃ。依頼中や旅の間、テントを張る広さより少し広めのエリアがあれば小屋がおける。中にはベッドでもマットでも置いておけば快適に寝られるじゃろ。火を使う場所は、小さくてもキッチンを作るか、日本で言う囲炉裏というものを作るかじゃ。樵小屋などは、半分の床は土しして火を使うぞ。寒いときには小さなストーブもおけるからの。そのあたりは自分の好みで決めれば良い。一番大切なのは寝床とトイレじゃろう。トイレは中を仕切れば大丈夫じゃろ。クリーンも仕えるし、土魔法で土を掘ってもよい。どうにでもなるじゃろう。まあ、そのあたりは考えよ。お前ならば簡単なことじゃ。


それ以上に重宝するのは複写の魔法を作ることじゃ。普通の魔法使いが使う魔法にはないが、料理はもちろん、絵でも文字でも服でも靴でも、そして剣でも。何でも複写できる魔法じゃの。服などは気に入ったものを買ったときに複写しておけば良い。いつでも着替えができるからの。まあ、金を複写することは控えた方が良いがの。


今のお前には便利な事もできるぞ。

伸縮自在のものを作る事ができるのじゃ。

例えば、フラットに乗るとき、ナギは毛を掴んで乗っておるが、フラットの駆ける速さはかなりのもの。乗っておるだけでも疲れるじゃろう。そんなときには、フラットに取り付ける椅子とか籠をクリエイトで作るのじゃ。それも伸縮自在機能をつけての。それならばいらぬ時には小さくしてアイテムボックスに入れられるじゃろ。今の大きさよりも大きくなるフラットにつけるならば便利じゃろ。馬につける鞍の感覚かの。フラットが走りやすいように、お前が乗り降りしやすいように考えて作れば良い。結界を張るならクリエイトで結界魔法を作ればよい。お前の魔力で作る事ができるじゃろ。フラットの背に乗るお前が危ないと心配しておったのじゃ。椅子でもあれば居眠りもできよう。


『クリエイト」を使う時は、頭に思い浮かべれば良い。小屋などは紙に書いてそれを意識してもよいのじゃ。簡単なことじゃろう。

とにかく試してみれば良い。

失敗しても気にするでない。家ができれば、疲れていてもお前なら食事の支度をするじゃろ。それをクリエイトで済ませられれば随分楽なはずじゃ。その代わり食材は必要。それは忘れるでないぞ。


お前の疑問にひとつ答えるとじゃな。

ステータスの隣りにある(*10)などじゃが。あれは、今あるステータスの最高十倍まで能力が発揮されるという事じゃ。常時というわけではないが、お前が必要としたときには無意識下で能力が上がる。あまり気にせず、なんでもやれると言う事じゃな。大人になってステータス自体が上がってゆけば、おのずと減ってくる。最終的にはなくなる項目と認識せよ。


最後に一つ。お前にプレゼントじゃ。

いつも儂がメールを送っておるが、一方通行じゃろ?

それで考えたのじゃが、前世でお前が使うておった『タブレット』というものを使えるようにした。お前たち以外は使えぬし見えぬのじゃが。『スマホ』というものもあったようじゃが、マップ機能と連動させた故、フラットも見えるようにと大きい方にしたのじゃが良かったか?

もちろんメールが使えるのじゃ。

入力方法は、頭の中で文章を作れば良い。訂正も頭でできるが、面倒なら通常の入力もできるからの。

写真も撮れるようにした故、儂にも下界の様子を写真で見られるようにしてほしいがの。動力は空気中の魔力を貯めるようになっておる。なくなる前には自動で補給する故、気にすることはない。

アイテムボックスに儂からのプレゼントと書いてあるから見て欲しい。

儂はいつも見ておるぞ。お前ならば、どこへ行っても大丈夫じゃ。いろいろと旅をするのも良いじゃろう。


楽しむのじゃナギ!


創造神 アルム爺


++++++++


ふふふ、おじいちゃんは心配性だね。

でも、正直嬉しいよ。

フラットに話しを伝えれば、かなり喜んでるみたい。

そうだ、アイテムボックスを確認しなくちゃね。

『創造神アルムからのプレゼント』

うん、こんな項目ができてるよ。

中にはタブレット一台とある。

出してみれば、A4サイズの本くらいだね。ちゃんとケースも付いてるところが面白いんだけど。日本で見たことがあるよりもゴツいケースに幅広のベルトがある。これって肩からかけられるって事だよね。

でも、俺とフラットしか見えないっていってたんだけど。まあ、ギルドに戻るとき、肩掛けモードで入ってみればわかるよね。


タブレットを左肩からかけた。

本当は逆がいいけど、左の腰にはショートソードがあるからね。いざと言うとき邪魔になるかもしれないし。

このベルトしか見たことがないけど、他にはどんな風につけるのかな。ドールーハに聞いてみようっと。

じゃあ、ギルドに戻ったら、依頼達成の手続きだ!



「ナギさんお疲れ様です。依頼達成報告ですか?」

はい、そうです。

お疲れ様ですとお姉さんは書類を受け取ってくれる。この後は、素材買取カウンターだね。

「よう、もどったな。オオネズミだったか。どれくらいいる?」

二十頭くらいかなと言えば、相変わらずだなと笑われた。


「お待たせしました。では、依頼完了です。こちらが依頼料、そして素材の買取料金です」

ありがとうございます、と受け取った。

ドールーハの店に行こうかと考えていれば、ギルマスが呼んでると聞かされた。仕方ないね。

二階に上がると言えば、フラットは一階で休んでいるというから俺だけが階段を上がる。


薬草採取の精算だな、とお姉さんに話しを振る。

忘れてたよ。大量に持ち込んだやつだね。

「では。アリオールが三百七株。ルゴル鉱石が二百九十四キロでした。アリオールが一株金貨一枚と銀貨七枚ですので、白金貨五枚と金貨二十一枚と銀貨九枚です。ルゴル鉱石は一キロ金貨三枚ですから、白金貨八枚と金貨八十二枚になります。合計で、白金貨十四枚と金貨三枚、銀貨九枚になります。ちなみに、薬草採取ではこのギルド始まって以来の一日での採取量ですね」

おお! そうなんだ。すごい、新記録だね。でも、白金貨十四枚って……

「すごいな。お前、しばらく遊んで暮らせるぞ。冗談だけど魔物の方は?」

「小型のムーンベアですが、小型と言ってもかなり大きくて中型に近いですから、一頭金貨一枚と銀貨五枚ですので、十八頭で金貨二十七枚です。全てきれいに狩られてましたね。中くらいのもきれいでしたね。これは金貨二枚と銀貨三枚ですので金貨二十三枚です。大型はかなりの大きさでしたので金貨四枚です。二頭で金貨八枚になりますね。そして超大型ですが、こちらは刃物傷と氷の傷はありましたが、問題なくきれいでした。金貨八枚ですね。討伐合計金貨六十六枚です。それぞれ、こちらに」

おお、すごいんだけど。これ、もういいかな。戦争でこれほどの金をもらう気になれなくなってきたよ。

お金をそれぞれ革袋に入れてアイテムボックスへと入れた。

「それでな、ナギ。戦争はまだしばらくは続くけど、ほぼ、隣国の勝ちらしい。一部の騎士たちは撤収しはじめてる。撤収ってわかるか?」

はい、わかります。

「だから、よほど戦況がひっくり返らない限り、薬草採取は一度終わりになりそうだ」

よかった、本当に。

「よかったです。今までずっと気になってたんですけど、戦争で高い依頼料をもらうって事が嫌でした。でも、今日の報酬を見た時はっきり心が決まったんです。戦争に関わる薬草は採るのを止めようって。今お話を聞いて、心から安心しました」

「そうだな。お前、ずっと言ってたもんな。これからの依頼は普通でいいと思うぞ。その方が楽しいだろ。少し気分を変えてみる方がいい。街の外でもいいしな」

そうですね、と笑顔で頷いておいた。

なぜだか疲れた。どっと疲れが出た気がする。


明日はどうするかと依頼ボードを見に行くことにした。

Cランクなのでそこそこの依頼は受けられるんだけど、俺が六歳だから森には入れない。それでも何かないかとみていた。

そこに珍しく畑に出てくるオーク討伐の依頼がある。

どうして? と疑問に思ったので聞いてみた。

この村はゴブリン程度なら撃退できる人がいるらしいんだけど、そのゴブリンを捕食し尽くしたオークが最近出始めたらしく、どうにかして欲しいという。

驚いたことに領主が追加で依頼料を出すいう。なんでかな? と問えば、特産の紅茶の生産をしている村らしい。とても美味しい紅茶ができるそうだ。

それでか。一応、八頭と書いてるけど多分それ以上だよね。それは領主も理解してるって事か。じゃあ受けてもいいかな。

どうやらさっき張り出したみたいで、まだ誰も見ていないという。それなら受けますと手続きをしてもらった。

森じゃないからいいよね~



依頼書をアイテムボックスに入れてドールーハの店に行くことにした。

幸いというか、おじいちゃんの言う通りタブレットの存在は誰もわからないみたい。それなら別の帯剣方法があるかもしれないからね。


「こんばんは」

「おう、ナギか。依頼帰りか?」

そうです。

「少し相談したいことがあって。えっと僕の帯剣ベルトですが、こんな形のものが普通ですか? 時々背負っている人がいますけど、皆大剣もちですよね。他に何か方法がないかと思って」

「やっぱり邪魔になるか。それなら方法はあるぞ。これを見てくれ」

見せてくれたのは、細い剣を背に背負うものと、腰の後ろに剣を横向きに取り付けるものだ。まあ、横向きは幅が広くなるって事だから邪魔になるかな。でも、自由に左右を持ち上げられるようになってる?

「背に背負うのは抜くときがしんどいからな。で、俺が勧めるのはこれだな。横向きだから慣れるまでは気になるが、こうやってグリップを持って上げたり下げたりできるから、邪魔になりそうなときは移動させればいい」

なるほど。緊急の時には逆手でもっても一撃目ならいいかもしれないね。忍者みたいだけど。

これなら左側はあけられるね。見えないけど、物理的にはそこにあるんだよね。もっと上にタブレットを引き上げる? それも邪魔かな。戦う時には引っかかるよね。うん、それなら横向きにつるせば、鞘の先でタブレットのベルトを引っかけることもできるかもね。

できるだけ戦いが始まればアイテムボックスに入れる。そして、もう少し高い位置で下げるように調整するかな。


とりあえず、つけてみろと言われて腰に帯剣ベルトを着けてみる。ショートソードを取り付ければ、今までのような負担は感じない。それどころか、タブレットとのバランスが取れて、直立するのが楽だね。

『ナギ、かっこいいね。それに立つのが楽そうだ。それなら戦うのも楽じゃない?』

おお、フラットが感じてくれてるよ。

もし、タブレットのベルトが邪魔ならおじいちゃんが言ってたクリエイトを試してみればいいかもね。


「じゃあ、これください」

毎度!

購入したとき、手入れをしてやると言われて喜んだけど、どうやらお客さんらしい。特別注文らしく、ドールーハが対応するときいて、また来るからと店を出た。

転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚