「ぶっちゃけ!レヴィさんに魔術の才能はないと思います!」
こいつ、、、言いたいことはすんなり言うタイプかこの野郎。
「じゃあどうしたらいいってんだ。お前そこまで言うなら何か案があるんだろうな???」
「お姉ちゃんは頭いいんだよ!」
「レヴィさん、木星はご存じですか?木製の周りには有名な衛星が4つ回っています。イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト、この4つが回っているのです。今回そのうち3つは木星であるあなたを守ります。そしてあと1人、この部屋の奥にガニメデというものがいます。私たちの弟です。必ず力になるはずです。良い特訓になりますよ。」
そうか、、俺がやらないとダメなんだな、、今はこのベイキナの全てが俺にかかっていると言っても過言ではないのか、、
「わかったよ、、俺がなんとかして見せる。」
そう言って俺は奥の部屋に入った。
「お姉ちゃん、、、ガニメデはどうなっちゃうの?病弱で歩くこともままならない筈なのに、、」
そういうとお姉ちゃんは自分を優しく抱いてくれた
「イオ、これはもうお遊びじゃないの。カリストお姉ちゃんがなんとかしてくれるわけじゃないし今回はもう喧嘩とかなんてものじゃないの。これは戦争よ」
「ガニメデはいるかい??」
「僕のことですか、話は聞いてますよ。覚悟もできてます。」
「覚悟って、今から特訓するんじゃ」
「特訓は今からしますがその前にやらなくてはならないことがあります。僕が今からあなたの中に入り込みます。」
「なんで俺の中に入るんだよ。そしたら君はもう、、、」
何が起こるかは想像できるが言いたくはなかった。
「そうですね。想像している通りです、僕は死にます。けどそんなに気負わないでください。どうせ僕はもう長くないのです。」
とても優しくまるで子守唄でも聞いているかのような安心する声でこう続けた。
「僕はなぜかルートが通常よりも速いスピードで生成され、体の大半がルートでできています。ここまでくるとルートを通うマナは僕の体を支えるのではなく蝕んでくるのです。なのでどうせ先ももう長くない、だからあなたの中に入ってあなたのルートになります。大丈夫です僕はここにいるようですが実体ではなくマナが形成する幻ですから入っても痛くないですよ。僕が入ったら馴染むように特訓してくださいね。」
「そうか、、、、わかった。」
「ありがとうございます。あ、最期にひとつだけ。三人のお姉ちゃんにこう言っておいてほしいのです。
僕はレヴィさんの中や聖教会の中で未来永劫皆さんを見守っています。だからどうか死なないでください」
そういうと彼は僕の中にルートとなって入ってきた。今までとは比にならないほど力が湧いてくる。
「ガニメデ、、君が望む世界を俺が作るよ。」
そう言って部屋から出て今までの経緯を話した。
「そうですか、、彼は全うしたのですね。ありがとうございました。」
「お兄ちゃん。きっと勝てるよね」
そういうと聖教会のドアをノックする音が聞こえた。
ドアを開けると大怪我をしながらも心配させないように笑顔のカリストと背後には大量の市民がいた
「悪い遅れた!ついでだけど協力してくれる方たちに集まってもらった!」
「何もしないで死ぬのはごめんだ」
「やるだけやってみようぜ!」
「ベイキナのチームワークを見せる時が来たなぁ!」今までみんなに蔑まされてきた俺が今はみんなの希望を背負っている。失敗するわけにはいかないんだ。
次回「ベイキナ新生」
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