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19××年6月21日
とある神社に狐の神が祀られたとても大きな大木がありました。
ですが、それは戦争の影響で焼け、脆くなっていきました。
ある日、弱々しくて軍隊にも入れぬと虐められていた1人の少年がその大木の下で殴られ蹴られ。
劣化していた大木は強風に煽られ、倒れてしまいました。
そしてその少年は、逃げ遅れたがためにその大木の下敷きとなってしまいました。
平成16年
「俺DS買ってもらったんだー!」
「えー!いいなー!僕も欲しい!」
ある白髪の少年は、仲間はずれにされ会話に混ざれませんでした。
「にしきはどうせ買えないだろーな」
「あいつんち片親だろー?」
(俺だって欲しいのに、)
気分が乗らないまま夕立の降る帰り道を1人寂しく歩き続けた。
誰もいない家、帰りたくなんかなかったのだ。
その時ふと、視界の端に赤いものが見えた。
鳥居だ。
どうせ誰もいないのなら、ここで昼寝をしてもいいだろう。
そんな浅はかな考えで、俺は神社へ向かった。
ざくっざくっと、木の枝や枯れ草を踏み分けて進んでいくと段数の少ない階段があった。
所々ひび割れて落ちてはいるが、登れないことはない。
階段を登ると神社の本殿が見えた。
ここに神様が祀られているらしい。
「……なにか書いてある、?」
[19××年、本殿はーーーであるがためにーーー]
所々焼けて汚れていて最後の方は読めなかった。
石碑のようなものも、粉々になっていた。
状況を見て分かった、この神社はもう使われてないのだと。
「19××年だからえっと…」
ランドセルに入っていた社会の教科書を引っ張り出す。
「やっぱり、戦争なんだ…」
「だからこんなにぼろぼろなんだ……」
近い年数を確かめると戦時中なので分かった。
「初めてこんなの見たな…」
「まあいいや、ランドセル枕にして、寝よ…」
そして俺は眠りに落ちた。
「ここに人が来るなんて、」
「怖いもの知らずが…」
目が覚めると、日はとっくに落ちていた。
「やば、ねすぎた……」
「早く帰らないと……」
急いでランドセルを背負い、階段を降りようとした時、
あるはずの階段が無かった。
透明な壁のようなものが辺りに張っていて、まるでこの神社に閉じ込められたようだった。
「あれっ、なんで…」
「人の子、なんでいる」
「っ、!?だれっ、」
突然現れたそれは人間の形をしているのに、狐の耳と尾が生えていて和装をしていた。
「……なぜいるのだ」
「……ごめんなさい、家に誰もいないから、だから…」
「そうか」
「ごめんなさい、」
「あなたは、だれですか、?」
「…元人間の狐だ、」
「元人間、?」
「次はお前が名乗れ」
「えっあ、5年2組のにしきです」
「なるほど」
焦って間違えて学年と組まで言ってしまった。
「…ぼくの名前はたちばな」
さっきの警戒心は無くなり、名前を教えてくれた。
「たちばなくん、えっと…」
「…さっきは驚かしてごめん、」
「それは全然いいけど…」
「ねえにしき、急だけどさ友達なってよ」
「本当に急だね…いいけどさぁ、」
「いいの、?」
本当に不思議だ。
「うん、俺も友達いないし、」
「うれしいっ!よろしく!」
そんな訳で、たちばなとの友達関係が始まった。
「ぼくね、ずっとひとりぼっちで…寂しかったんだ」
「だから人が来た時うれしくてつい結界を張っちゃうから…驚かせてごめんね」
結界とは、あの透明の壁のことだろう。
「そうなんだ、元人間って言ってたしなにか関係あるの、?」
「…うん、ぼくね__」
「そんな事が…」
「そう、それでその木の狐がぼくの霊体と合体?して、こんな姿になったんだ…」
「耳としっぽあるもんね、」
「さわる?もふもふだよ?」
「いいの?」
「うん!友達だから」
ふわっ、
「わあっ、もふもふだ、」
「えへへっ、幽霊になっていいことなんかひとつもないって思ってたけど、にしきと会えてよかった!」
「俺もだよ、」
「えへへ、たのしい! 」
「俺も、!」
「ありがとうにしき」
その微笑んだ顔は狐の美しさと子供の純粋な笑顔が混じってとても綺麗だった。
その日から俺の不思議な日常が始まった。
コメント
1件
めっちゃ感動します😭主さん天才ですね(*^^*)