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廃品は破棄させていただきます
自分は双子だ。
見た目も性格も何一つ似ていない妹がいた。
仲は良くも悪くもない。
友達のような関係。
ただ、劣等感だけがずっとまとわりついていた。
「〇〇は運動が得意なのにお前は全然ダメだね」
「〇〇はいないの〜?」
「あんた暇でしょ?〇〇は忙しかったんだから」
「明日〇〇の誕生日でしょ?誕プレどうしよ〜」
「〇〇が行きたいって言ったから」
「〇〇とお前って全然似てないよな」
別に自分も劣っているわけではなかった。
頭の良さはあいつより少しだけ、勝っていた。
でも、そんなのは総合で見ると何の役にも立たなかった。
そもそも、自分より頭がいいやつなんて身近にもごろごろいる。
あいつだって、平均よりはかなり高い。
それに、あいつは頭の良さ以外にも才能を持っているんだ。
あいつは絵が上手い。
あいつは字が上手い。
あいつはスポーツが上手い。
あいつは人と話すのが上手い。
あいつは努力するのが上手い。
数えてもキリがなかった。
才能に溢れたあいつに比べれば、自分なんて不良品に過ぎなかった。
誰も自分を1番好きだと言ってくれなかった。
みんなあいつの方に行って、自分の周りには片手の指でも余ってしまうほどしか残らなかった。それも、全部自分の幻かもしれない。
顔も見た目も才能も恵まれて
しわ寄せが全部こっちに来て
自分はたった1つのありふれた才能を自慢げに話すだけ。
あいつが何回表彰されても自分におこぼれが来ることはなかった。
神作と駄作が家では並べられ、自分だけがずっと才能の差を感じていた。
誰も自分を駄目人間だと非難することはなかった。
それが逆に辛かった。
自分だけが気にしているようで
周りに置いて行かれているようで
ちっぽけなプライドで自分自身を傷つけているようで
「お前はダメだ」と一言でも言ってくれたら、いっそ楽なのに。
自分があいつならよかったのに。
そんな言葉は口癖のようになり、嫉妬はいつしか恨みに変わった。
自分が不良品だと実感するたびに自慢の頭脳も働かなくなっていった。何も知らない周りの奴らは怠惰だと叫び、怒った。
誰も自分の心配をしなかった。
誰も自分の変化に気づかなかった。
自分は作り笑顔が上手くなった。
唯一の頭脳を引き換えに。
誰にも考えを悟られないように努力した。
不良品が最後に放つ輝きだった。
皆が仕事に学校に向かう朝。
大きな不良品は廃品に変わり、破棄されるために山奥の廃校に向かった。
忘れ去られた校舎の近くに備え付けられた焼却炉に向かって足を働かせた。
10時34分
その廃品は焼却処理された。
なぜ廃品となってしまったのか知る人はいなかった。
END-20 「破棄された不良品」
コメント
1件
**はる。だわ。** これ、読んでて結構グッときたわ…。双子の妹と比較され続けて「不良品」って自分を定義しちゃう主人公の内面、めちゃくちゃリアルに描かれてて刺さった。特に「自分を1番好きだと言ってくれなかった」ってフレーズが胸に来たな。周りに悪意がなくて、むしろ「お前はダメ」って言ってくれた方が楽だったって感覚、わかる気がする。焼却炉で終わるラストも、暗いけど派手じゃない絶望感が作品の空気に合ってた。次、どうなるんだろう…続き気になるわ🔥
ゆう
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