TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

〜にじさんじ妄想トーナメント戦〜

エクス・アルビオVS叶



「お前が、葛葉を殺ったの?」


そう言った叶は、このトーナメント戦に出場して初めて表情を歪ませた。しかしそれは以外にもしっかりとした声で、エクスから目を離すそぶりは見せない。先程までの激戦ぶりから見ても、叶は侮れない男だ、油断するな、と脳がサイレンを鳴らす。

「僕達を騙した人間の仲間でも、罪は無いと言いたいのですね」

エクスは剣を構えた。戦闘の合図。

「僕はそう思いませんけど」










時を遡ること約3時間前。Aブロック一回戦。

アルス・アルマルとの対戦で、エクスは己の耳を疑った。

「お前が、ボクが教えた戦術で悪得をしていることは、もう知ってるぞ!」

会場で顔を合わせるなりアルスが叫んだ第一声は、この一言だった。エクスには全く身に覚えがないことを、アルスはものすごい剣幕で語った。

「…は?師匠…?何を言って…__」

それを言うならあなたでしょう、と言いかけた所で、アルスの怒声が言葉を遮った。

「言い訳するんですか!?ここまで来ておいて!エビ先輩、お前のことは信じてたのに……!!」

試合の開始を示す鐘が鳴るなり、アルスは剣を振りかぶって距離を詰めてくる。

ギャリギャリと鋭い金属が擦れ合う音が響き渡った。

「神田さんに聞いたからな!」

「じゃ、じゃあ僕も言わせてもらいますけど!!師匠が魔法で盗みを働いてるって!聞きましたらからね、叶さんに!!」

嘘ではなかった。試合開始前、控室に叶がはいってくるなりエクスに言ったのだった。

アルスさんは盗みを働いている上、今回エクスが最初にあたる相手であり、真偽を確かめるチャンスだと。


「はあ!?」

今度はアルスが驚く番だった。

その隙を見て、エクスが剣でアルスを薙ぎ払い、距離をおく。


俯いていたアルスの肩が、やがて怒りで震え始めた。

「お前…!そうやって言い訳をついて、ボクを殺そうとしてるのか…!!?」「…絶対に、許せない!」

アルスの攻撃が加速した。エクスは避けるものの、感じた。致死量の一撃。

「師匠は、…!騙されて、僕を殺す気ですか…!」

「黙れ!騙しているのはお前じゃないか」

興奮状態のアルスには言葉が届かないばかりか、高速の刃を受け続けては、体力も保たない。ただ、アルスが精神的な昂りで魔法を使わない限りは、こちらに分があった。

「師匠、いいんですね!?」

「あぁ!?ボクをナメるなよ!」

エクスは自ら編み出したステップで捻りをかけ、アルスの背後に回り込んだ。

「…!?」



体を捻って振り向いたアルスの鳩尾を、エクスは仕留めた。線の細いアルスの体を、重い聖剣が貫く。

彼女の体は力を失い、倒れた地面に赤い水溜りを作っていく。



「えび先、ぱい…何で……__」

__ボク、やってない。



蚊の鳴き声のようなアルスのアルスの言葉を聴いた途端、エクスはここにきてまでアルスがその台詞を呟いた意味を理解した。









「そうかな、僕には君が自らの手でアルスさんを殺したようにしか見えませんけど」



仮面のような笑みを取り戻した叶が、卑しく嘯く。

「今更、取り繕っても無駄ですよ。まぁでも、葛葉さんに同じことを言っても “叶はそんなことしねぇ” の一点張りでしたよ。」

「五月蠅い」

叶は愛用のトレカフ銃でエクスの眉間から肩にかけて弾を乱射した。

流れるように身を捻って躱すエクスではあったが、移動した先にも銃弾が雨のように降り注ぐ。

「ちッ。」

(厄介だな…)鋼鉄の剣で弾を弾きながら舌打ちする。エクスはあまり得意ではない思考を必死に働かせた。

できるだけ体力を温存させて弾切れを待つか、いや、それではいけない。なんとかして傷を負わせておかなければ、叶側にまだ策があった場合不利になる。

(武器は*トレカフ号*…となれば、弾を補充しているところを突くか)


「ふふっ。エビオ君、どうしましたぁ?もっと詰めないと、剣士は役に立ちませんよ?どんどん離れていっちゃってるけど。」

お互いステップを踏んではいるものの、エクスの攻撃は一向に届くまでもない。

発砲のペースは1秒に1発。多くて2発といったところだろうか。とすると…_。

装塡まであと20秒……15秒…。

…10秒


それまで踏んでいたステップを止めると、エクスは叶の方向へ、地を這うような低姿勢で駆け始めた。

「そう来ましたっ…かッッ!!」

叶も馬鹿ではない。手榴弾を投げつけると、素早く距離をとろうとする。

「…。そうはさせません」

エクスは爆風を剣で防ぎ、蛇腹を描くように叶の方へと迫った。こうすることで、弾が命中する確率を確段に下げることができる。

案の定、煙から巻くようにエクスが顔を出した時、叶は大きな隙を見せた。


「終わりです。」


エクスは聖剣を大きく振りかぶり、叶の脳天めがけて振り下ろす。




ドンッ!




エクスの聖剣は止まることも逸れることも無かった。



仇を仕留めた、_____はずだった。



手応えがない、と思った刹那、「コトン」と後頭部に感じた硬い銃口。



「『終わりです』?」

クスクス。



背後をとられた。叶の心底面白がるような声が耳元をくすぐる。はぁ…。

「*手間が増えた*。」


____ここで、弾切れですか?


ヒュっ。


空を切る音とともに、横嬲りに繰り出された刃はとうとう叶の負けを告げた。

「はっ?」

小さく血が弾け、エクスの明るい金髪を汚していく。

煙幕と火薬の匂いが包む煙の中で、エクスは天を仰いだ。


「師匠、天国に行けば、師匠に会えますか?____まぁ、僕は行けませんけど」

この作品はいかがでしたか?

105

コメント

7

ユーザー

にじさんじのノベルわかんねぇ…笑 語彙力、文章力あるんだからチャットノベルで作ったら人気出るのでは…???いや、私がチャットノベルで1回作って欲しいと思ってる。

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚