TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

君にだけ、氷の微笑

一覧ページ

「君にだけ、氷の微笑」のメインビジュアル

君にだけ、氷の微笑

45 - 第25章:すれ違うふたり5

♥

2

2025年09月30日

シェアするシェアする
報告する

***

いつもなら氷室と何気なく交わす視線や、小さな合図みたいな笑み――そのどれもが、今日はなかった。


(きっと……俺の気のせい、だよね)


そう自分に言い聞かせる。昨日あんな言い合いをしたあとだからこそ、少し距離があるのは普通なのかもしれない。けれど胸の奥では、どこか小さな警鐘が鳴り続けていた。


朝、昇降口で偶然見かけた氷室は、俺が廊下を歩いているのを確かに見たはずなのに、なにも言わず逃げるように別の階段へ消えてしまった。


休み時間に話しかけたときも、近づくどころか俺から遠のく感じで、絶対に視線を合わせないようにしていた。それでも、俺は彼の目を探した。けれど氷室は居心地の悪そうな表情で俺からの視線を外し、なにも言わずに去っていった。


(……やっぱり、避けられてる)


そう思った瞬間、昨夜感じた胸の中の小さな穴が、じわじわと縁を削られて広がっていくようだった。


どうしてこうなったのか、わからないわけじゃない。俺だってあのとき、もっと言い方を選べたハズなのに。けれど、氷室がこうして距離を置くなら――俺も、それ以上踏み込めなくなる。


机の上のペンケース。その中にしまってある、彼がくれた付箋が目に入る。以前は見るたびに胸が温かくなったのに、今日はまるで色を失ってしまったみたいに見えた。

君にだけ、氷の微笑

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚