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#爆豪勝己
うんの
46
「それで、えむ、伝えたいことって?」
「もう時間が、ないんだ。だから、もう言おうと思って」
「え、時間がないって?」
「もう、体が限界なんだ。必死に我慢してたけどね。体がすごく痛いんだ。正直言って立ってるのもやっとなんだ。だからもう、お別れが近いの。だから、伝えようと思って!」
それを聞いた3人は、涙を堪えた。えむは、ずっと笑っていたけど、一人で体の激痛を耐えていたのだ。時間がない。制限時間は刻一刻と迫っていた。
「私ね、去年余命宣告されてから、ずっと、無気力だったんだ。なんで生きてるんだろうってそんなことばかり考えてて。学校に行ってもフェニランに行っても変わらなくて。それでも迷惑をかけないようにって言って必死に自分に嘘をつき続けて。周りを騙し続けた。だから。正直生きてるのが苦しかったんだ。どうせ死ぬのに何してるんだろうって思ってたの」
「えむ、」
「私に未来なんかないって思ってた。明日が来るのかすらも分からなくて怖かったの。だから、未来の話を聞くたびに胸が張り裂けそうだった。だけど、そんな私をたくさんの人が支えてくれた。咲希ちゃんたちやみのりちゃんたち、奏ちゃんたちまでお見舞いに来てくれた。そして、前向きになれるような言葉をかけ続けてくれたんだ。だから、変われた。死ぬのは怖いけど、前を向けるように頑張りたいって。で、司くんたちが廊下でショーをやってるのを聞いて、うずうずしちゃったの。私も混ざりたいって思った。そしたら、アドリブなのにセリフがスラスラと浮かんできて!あの時は楽しかったの。久しぶりに演じたから。だからね、またみんなとショーをしたい。思い出をたくさん残したいって思ったんだ。生きていて良かったって思えるように!」
「ねぇ、寧々ちゃん」
「何?」
寧々の顔は涙で濡れていた。
「ずっと私のそばにいてくれてありがとうね。寧々ちゃんがそばにいて話しかけてくれたおかげで毎日が楽しかった。寧々ちゃんの綺麗な歌声を聴くたびに何度も感動しちゃったんだ。最後のショーの時の歌も、すごく良かったよ!ほんとうに、涙が止まらなかった。今までの思い出が一気に頭の中に流れてきたの。どれも楽しいものばかりで!本当に、寧々ちゃんと一緒に過ごせて幸せだったよ!今までありがとう!寧々ちゃん!大好きだよ!」
「ー!そんなの、私もだよ。私だってえむに何度も救われた!まだ、恩だって返しきれてないのに、!なんで、なんでこんなことに、!」
「ねぇ、類くん」
「次は僕かい?何だい、えむくん」
声色が変わらなかったけど、その目からは涙が流れていた。
「初めて類くんのカラクリを見た時、すっごーい!って思ったんだ。私たちのショーで使えたら、もっとすごいショーになるんだろうなって思ったんだ!だから、類くんと一緒にショーができて、嬉しかったんだ。近くで司くんが飛ばされたり、吹っ飛んで行ったり。どれも危ないものだったけど、見ていて、それでショーができて、すごく楽しかった。これからもまだまだ類くんのカラクリを、見ていたかったな、!これからももっとすごいカラクリでお客さんたちを笑顔にしてね!類くん!一緒にショーを作ってくれて、ありがとう!」
「僕だって、君にすごいねって笑って言われるたびに嬉しかったよ。これなら大丈夫だって地震が持てたんだ。今まで僕のショーに付き合ってくれてありがとう、えむくん!」
「司くん。」
「ー。なんだ?」
司の顔もまた濡れていた。だからだろう。司はそっぽを向いていた。
「司くん。こっち向いてほしい。顔を見て話したいの」
「ダメだ。座長がひどい顔をしてる」
「私は!天馬司のワンダーランズ×ショータイムでショーキャストをやっている鳳えむ!」
「ー!?」
その声に3人は一斉にえむの方を向いた。
「ーやっとこっち向いたね」
「あぁ。向かされてしまったな。今の、立派だったぞ」
「ありがとう。あのね、司くん。私、あの時声をかけたこと、後悔してないんだ。むしろ強引に司くんをショーの世界に連れ込めて良かったって思ってるんだ。司くんにとって迷惑だったかもしれないけどね。あの時はごめんね。でもね、司くんがショーをやって、笑顔が増えたような気がするんだ。お客さんの笑顔がたくさんあった。それはきっと司くんがスターだからだね!司くんは、私たちがバラバラになっちゃったときも、私たちが悲しそうにしてた時も、ずっも励ましてくれてた。私たちのために必死に動いてくれてた。きっと司くんがいなかったら、私たちは一緒にいないの。だから、ありがとう、司くん。今回も、司くんに助けられちゃったね!でも、本当に楽しかった。司くんのそばでショーをできて、嬉しかった!最高にわんだほいだったよ!」
「ーえむ。俺はまだスターになれていない」
「いや、司くんは、立派なスターだよ。だって、私たちの心をつないでくれたのは司くんだよ。私にとって司くんは、最高にかっこいいスターだよ!」
「えむ、お前は、本当に褒めるのが上手いな、!だが、俺もあの時、こえをかけてくれて良かったと思っている。あの時声をかけてくれていなかったら俺は、この世界に入っていない。こんなに素晴らしい世界を見れていないんだ。俺がここにいるのは、えむ、お前のおかげだ。感謝する。本当に、ありがとう」
その時、だった。
「ー!う、ーぐ!」
「えむ!!」
突然、えむが苦しみ始めたのだ。えむは今も、寧々の腕の中で苦しそうに呼吸をしている。えむは、苦しいけれど、最後のお願いをした。
「つ、かさく、ん。最期、に、あれ、を聞かせて、ほし、いな、!」
司はすぐになんのことかすぐにわかった。
「わかった!えむ、ちゃんと見てろよ!」
寧々はえむを、司が見えるように動かした。えむの見る先には、えむのとっての最高のスターが立っていた。そして司は、これでもかと大きな声で叫んだ。
「俺は、。クッ。」
司は覚悟を決めた。
「ー俺は!天翔るペガサスと書き天馬!!世界を司ると書き司!!天馬司!!未来のスターになる男であり、ワンダーランズ×ショータイムの座長だー!!!」
それを見て、えむは幸せそうに涙を流した。
「ーありがとう、司くん。やっぱり、すごく、良かった、よ!寧々ちゃん、類くん、。今まで、一緒に、いてくれて、ありが、とう、!またいつか一緒に、ショーを、やろう、ね!」
そう言って、えむは静かに目を閉じた。
「えむ!?えむ!えむ、目を開けて!ねえ、えむ!」
「えむくん、えむくん、!」
「クッ!えむ、今までよく頑張ったな!あとは俺たちに任せろ。俺たちが、フェニランを、笑顔いっぱいにし続ける。だから!どうか見ていてくれ!!俺たちは、ワンダーランズ×ショータイムだからな!」
えむの誕生日、聖なる日、鳳えむは、大好きなみんなのそばで、大好きなワンダーステージの舞台上で、静かに、息を引き取った。
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