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この家には今は1人っきりで住んでいる。本当は児相に保護されるべきなのだが、
建物や設備を破壊して周りに危害が及ぶ可能性が高い為に、親権者等は親戚で、そういった人が家に来ない日は1人で生活している。
本棚から、1冊のアルバムを取り出す。
そこには、母さんの手描きの字で「2人のアルバム♫」と記されている。
これはかなり分厚く、産まれた頃から、母さんが死んだあの歳まで全ての思い出の写真が貼られ、コメントも記されている。
母さんは、とてもマメな人だった。毎回毎回写真を撮れば印刷し、このアルバムに貼り付けて日にちとコメントを書いていたのだから。あの人は家事と仕事と子育てを両立していたなぁ…
見ていると泣きそうで、そのまま本棚に戻して、ベットで寝てしまった。
夢の中。靄がかかった、草原。
あれ、あの時と、一緒だ。
向こうに幼い自分と、母さんがいる。
幸せそうで、笑って歩いて来る。
俺の目の前を、すんなりと過ぎていった。
行かないでよ。母さん。なんで置いて行くんだよ。
『お母さん!僕よりも、ずぅ〜っと長生きしてね!』
母親〔あらやだ、おんりーがおじいちゃんになる頃にはもうしわしわじゃない〜まぁ、頑張るわ!〕
母さん。約束、破らないでよ。なんで死んでしまったんだよ。なんであんなトラックに轢かれたんだよ。怒っているのに、泣いている。
夢の中の自分は、力が抜けて、ただ泣く事しかできなかった。誰もいない空間に、ただ泣き声だけが響き渡った。
ーーりー‼︎おんりー‼︎
ドズさんの声で目が覚めた。
『ん…?なんでドズさんが…?』
家政婦〔あら、おんりー君。ごめんなさいね、もう11時で…貴方のお祖母様から「寝ていたら勝手に入って良い」と言われていたので…〕
「約束の時間になっても来ないから来たら…ぼんさんと一緒じゃん!ww」
『……あ…』
そっか。今日、土曜か。
〈おんりー…?〉
『え?どした?』
《涙…出てるよ…》
泣いている?信じられなくて、鏡を見る。確かに、自分は泣いている。でも、散々泣いたから、泣いている心地がしない。
「おんりー、辛くなかったらさ、これまでの過去の事、話してほしい。」
『…わかりました、話します。』
えーー…眠い()