待ち合わせ場所まで付いて行ったアミとエミの二人は、やや離れたところから、そわそわと落ち着かない様子で美都のことを窺っていた。
「ねぇ、アミ。チーフは今日のコーデを気に入ってくれるかな?」
「シーって、エミ。邪魔はしないって約束でしょ。おとなしく見てなきゃ」
「うん。チーフも、きっと気に入ってくれるよね?」
エミがにっこりと笑って頷いたところで、矢代チーフが、待ち合わせの場に現れた──。
美都の姿を見つけると、チーフは目を丸く見開いて、照れたように首元に片手を当てると、
「……可愛いな、今日は特に」
驚きを隠せない風で口にした。
「ふふっ、ミッション成功だね」
囁いて言うエミに、
「うん、照れるチーフも、いいよね」
アミがクスッと笑う。
「可愛いすぎて……本当に」
──と、チーフが呟いて、美都の頬にチュッと唇で軽く触れた。
物陰に身をひそめていた二人が、「「キャーキャー」」と、声を抑えてはしゃぐ。
「もうチーフってば、美都のこと、ますます大好きになっちゃったみたい」と、アミ。
「うん、美都をもっと可愛くしちゃって、チーフにドキッてしてもらう計画は、最高の仕上がりだね」と、エミ。
かくして「美都ちゃん可愛くしちゃおう化計画」の大成功を見届けた二人は、大手を振ってその場を後にしたのだった──。
終
※この後は、彼サイドのストーリーをプラスします。
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