テラーノベル
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太陽が沈んで、クラリティの玄関には明かりが灯る。
6人はスタッフと一緒に、花火をする準備、それからテーブルの支度をしていた。
買い出し担当の樹と慎太郎が、お菓子を買ってきていた。夏祭りには行けなかったけど、行くだけがお祭りじゃない。
「あっ、慎太郎がつまみ食いしてる!」
ジェシーが声を上げ、慎太郎がぎくりとなる。
「厳しいなー、この指揮官。設営がんばったご褒美だよ」
じゃあ俺も食べよ、と高地がそこにあったスナックをひとつ口に放る。「何だこれ。あ柿ピーの柿か。ほら北斗も食べちゃえ」
兄たちを見て、北斗もお皿に入れたばかりのチョコをかじる。そして、楽しそうにけらけら笑いながら大我にも差し出す。
「どーぞ」
樹が「あーっ」という顔をして、その3人を指さす。しかし次に大我に手渡されたチョコレートを断ることはできず、嬉しそうな笑みを浮かべながらつまみ食い。
「ちょっとー。この現場どうなってんだよ」
作業に参加できない代わりに指示を出していたジェシーは、みんなの緩さを嘆く。でも、樹にお菓子を手のひらに載せられ、「ありがと樹」と破顔した。
そしてテーブルを椅子で囲み、束の間のお茶会。
「ねえこの煎餅美味いよ! 誰か食う?」
「ちょっとちょうだい」
慎太郎に、ジェシーが応える。しかし2人ははす向かいで、手を伸ばしても届かない。
「……お前、遠いな!」
「無理だよ、俺受け取れないもん」
隣の樹がお煎餅を割り、ジェシーの口に運ぶ。ついでに自分も食べたのを見て、「あ樹!」と慎太郎が思わず突っ込んだ。
そんなこんなで過ごし、いよいよ花火の時間。
「いっぱい買ってきたんだよー」
慎太郎が袋から花火を出す。初めての北斗は、好奇心に満ちた視線を向けている。
「すごいね、こんなカラフルなのあるんだ」
ジェシーは興味津々。
「どんなの? 触らせて」
大我が、高地の手に花火を一本載せる。
「ここから火花がバーッて出るんだよ。でもいつもみたいに触ったら、火傷するからね」と慎太郎から説明を受ける。
「ひえー」
「北斗くんも、火は気を付けるんだよ?」
「はーい」
スタッフがろうそくに火をつける。ジェシーと高地は樹に、北斗は慎太郎に補助してもらいながら、それぞれ持った花火に点火した。
「うわー! すげえ勢いだ! AHAHA!」
「見て! 俺の線香花火めっちゃ綺麗。きょものも綺麗だね!」
「なんか音がする。これ燃えてんだ、熱いわ」
『楽しい』
「わぁ…」
大きく見開かれた北斗の瞳。その虹彩には、色とりどりの花火の煌めきが映り込んでいた。
続く
コメント
1件
いやあ、めっちゃアットホームでほっこりしましたね…!「つまみ食いの連鎖」とか、お煎餅を樹がジェシーに食べさせてあげる流れとか、細かいやりとりがもう仲良し感満載で。北斗くんの「わぁ…」で終わるラストも、初めての花火の感動がまっすぐ伝わってきて、じんわり心に残りました。日常の空気感を描くのが本当に上手いなあ、と改めて。
#Iris
もも🍑♥
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なす
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