私は何色に染まれるんだろう。
ずっと透明のままなのかな。
真っ白なキャンバスを目の前に一人考えていた。
まだ開花しない私の絵。
ずっと向き合ってきた筈の絵が心底憎い。
「 努力は報われるらしいけどなぁ、… 」
いつもの決まり文句を垂れながら、
筆をまた走らせた。
私の絵はざっと言うと〝人並み以上〟だ。
人よりは上手い。
けれど何かが足りていないのだ。
ドーナツのように何処かに穴が空いている。
そんな絵しか描けない。
それでもまだ、もがいている。
毎日毎日筆を走らせ、
暇さえあればアイデアをノートに書き留めている。
きっと私は諦め切れないんだろう。
と言うか、諦めるのが悔しいんだろう。
自分に負けた気がして。
だからまた、弱音を吐きつつキャンバスを色付ける。
私も同じ色に染まれるように。
いつか見つけて貰えるように。
コメント
2件
シンプル な 言葉遣い で こんなにも 美しく表現 出来る なんて . . . ❕ 感動 しました 🙌🏻❤️🔥 素敵 な 作品 を 有難うございます 👑🎀 フォロ − 失礼します !