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オレが生まれてすぐ、
親が離婚した。
親権はお母さんに渡り、お父さんは家から出ていった。
でも、お母さんは
「私一人じゃあなた達は育てられない」
って行って、オレたちを 置いて
家から 出て行った。
家には、
オレと、お兄ちゃん達5人だった。
長男の ななもり。(なーくん)
四男の さとみくん
三男の ころんくん
二男の ジェルくん
そして、1番下の オレだった。
長男のなーくんは、
もう成人していた。
最初の方はしっかり育ててくれていたらしい。
嫌々と。
少し大きくなって、
お兄ちゃん達はオレに構うことなどなくなった。
オレが怪我しても、熱を出しても
「そっか。」で終わり。
今日も、そんな日が流れるようにやってくる。
朝
ピピピピピ
「ん… 」
アラームがなって、 目を覚ました。
下から、料理をしている音が聞こえる。
きっと、なーくんだろう。
目をこすりながら階段を降り、リビングへと向かう。
そこには、なーくんだけではなく、
いつもは 朝早くには起きていない、
他の四人もいた。
「おはよう」
そんな誰の耳にも届かない、
独り言の挨拶をする。
莉犬一人、二人用のソファへ ぽつん と座る 。
ななもり。は音楽を聴きながら料理をしている。
さとみとジェルは、テレビを観ながら雑談を交わし、
ころんとるぅとは、どっちの方が早く歌を覚えられるか、
なんてくだらない勝負をしている。
「朝ごはん、出来たよ」
と、ななもり。の言葉で、みんな一斉にテーブルへと駆け寄る。
オレは、
「なーくん、朝ごはん、ありがとう 」
「いただきます」
と言って、黙々と食べ始める。
そうやって、みんなが食べ終わり、
お兄ちゃん達は出かけて行った。