平凡な日常

大きな波をいくつも超え、平和で静かな日常がやって来た。渡辺は友達と食事に行ったり、サウナに行ったりしている。

目黒は、渡辺が平凡な日常を送っていることが嬉しい。

体重も減ってないし、よく食べてるみたいだし。

ただ、目黒と2人でゆっくりする時間がない。

渡辺は、外へ外へ出て行くから。

渡辺も目黒も、基本、インドア派である。

ただ渡辺は、マネージャーさんに知られていることを知って、恥ずかしいと思っていたが、そのおかげで厄災が片付いた。

嬉しくて、外に出ているけど、目黒を忘れている。

目黒は、渡辺のブログを読んでため息を吐く。

焼肉なら、家で、自分がしてやるのに。

家で焼肉するって言ったらくるだろうか？最近、2人でゆっくり会ってないから、少し寂しい。

目黒ー翔太くん？

渡辺ーなんか久しぶりな感じ。

目黒ー翔太くんが忙しいからでしょ？

渡辺ーお前の方が忙しいに決まってるだろ？

目黒ーそんなことないよ。

渡辺ーで？どうした？

目黒ー久しぶりにご飯一緒に食べたいなぁって。

渡辺ー寂しかった？

目黒ー翔太くんは、友達と忙しく楽しそうだったから、誘わなかった。

渡辺ーごめん、今夜行く。

目黒ー何食べたい？

渡辺ーお前の作るの、何でも美味しいから、ザ，家庭料理。

目黒ー焼肉でなくていいの？

渡辺ーブログ見た？もう食べたからいい。

目黒ー分かった、待ってる。

渡辺ーん。

目黒は鼻歌を唄いながら、料理を作っていく。

小鉢に盛り付け、それをいくつも作る。同じのをたくさんでも良かったが、色んな味をたくさん食べてほしい。最近はたくさん食べれるようになってきた。目黒はテーブルに並べていく。

渡辺ーただいま〜。

目黒ーおかえり。

渡辺ーうわっ、豪華！

目黒ー品数が多いだけだよ。

渡辺ー美味しそう！

目黒ー手洗ってうがいして？

渡辺ーは〜い。

2人での食事は、楽しく、渡辺は絶えず笑っている。

騒がしくするわけではないが、食事を味わって食べ、大好きな人と話しながら食べ、渡辺はとても幸せそうな顔をする。

渡辺ー毎日、こんなに幸せだといいのになぁ。

目黒ー何かあった？

渡辺ーん、食べてから話す。

目黒ーん、分かった。

渡辺ーそれ、ちょうだい。

目黒ーはい、あ〜ん。

渡辺ー美味しい！

目黒ー翔太くん、何でも食べれるようになったから、作り甲斐ある。

渡辺ー何でも食べれるわけじゃないけど、お前の作るのは食べれる。

目黒ーふふふ、ありがと。

食事も済んで、後片付けも済んで、まったりコーヒーを飲んでいる。渡辺が少し寂しそうな顔をする。何かあったな、と目黒は思う。

目黒ー何？

渡辺ーあれからも、友達と焼肉に行ったんだよ。

目黒ーん。

渡辺ー俺たち個室だったんだけど、間違って入って来た女がいてさ。謝りもせずに、俺を指差して、「あ〜！渡辺翔太！」って言って写真撮って走って出て行って。

目黒ー何それ？失礼だね。

渡辺ー続きがある。

目黒ーで？

渡辺ーSNSに上げたんだ、焼肉店の名前とどの個室使ったか、どこに座ってたか。

目黒ーん。

渡辺ー店にファンが押し寄せて、俺たちが食べたのと同じの頼む人や、ビールだけで、長く喋ってる人が来るようになった。で、俺たちは店から、もう来ないでくださいって言われてしまった。

目黒ーそれは酷いね。

渡辺ー俺はいいけど、店の人に申し訳なくて。

目黒ーSNSは怖いね。

渡辺ーホント。

沈んだ顔を見て、目黒は渡辺を抱きしめてキスをする。

甘えて、目黒の首に両腕を絡ませ、キスをする渡辺。