3話
俺はゲイだ。
だから妊娠した。
こんな言葉じゃ足りない事は分かってる。けど、こう言うしか無かった。なんて説明したらいいか分からなかった。
🥞「…夜、8時くらいにリビングで集まって欲しい。」
そういえばみんな口揃えてこう言った。
☕「何かあるのか?」
🌟「彰人からの呼び掛けは珍しいな!何かあったのか?」
🎈「まぁまぁ、夜になるまで待とう。」
みんな俺が妊娠したなんて思うわけないだろう。
8時
🥞「集まってくれてありがとう。」
🎈「いいんだよ。何かあったのかい?」
🌟「ふっ!楽しみだなぁ!冬弥!」
☕「そうですね。」
🥞「…これから話す話を、ちゃんと聞いて欲しい。」
🌟「あぁ、なんでも聞く。」
☕「当たり前だ。話してくれ。」
🥞「はー、すっ、」
🥞「俺、…妊娠した。」
そう言うとみんな顔色が変わったのが分かった。
それが怖くてすぐ俺は下を向いた。
🎈「…彰人。説明して。」
あぁ、怒られるんだな。類の話し方的にもう怒ってるのが分かったし司も冬弥も顔が怖くて頭が真っ白になった。
🥞「俺は、俺は…こんなこと…違う、違う、、なんで…」
もうパニックで頭がごちゃごちゃでちゃんと話す事は頭の隅にあるはずなのに上手く言葉にできなくて。
すると唯一司だけが俺の背中をさすってくれた。
🌟「お前がパニックになっているのは俺達も分かってる。けどな、命を授かってるんだ。今お前のお腹の中に命がある事。それを説明して欲しいんだ。」
言葉は少しきつい様に聞こえたけど命が今俺の腹の中にあるのは確実だった。説明しないと。
🥞「…俺、男が好きなんだ、女に興味がなくて…男が恋愛対象で、それで…」
🥞「マッチングアプリ…やってた。それで出会った人とたまたまいい雰囲気になって…そのままヤッた、けどっ、ゴムはしてくれた、けど途中で破けて…それ気づかなくて…」
🥞「それで終わった後破けてた事気づいて…中に出されてて…俺が妊娠する体ってのは相手も知ってたからゴムは絶対にしてって…向こうもそんなつもりなくて…」
🥞「最近体調悪くて検査したら…陽性で…腹の中…赤ちゃん出来ちまった、それ言ったら相手逃げてっ…」
🥞「俺、どうしたら良かったんだよっ…もうわかんねぇよ…」
☕「…彰人。」
🥞「なんでっ…俺は愛されちゃダメなのかよ…愛されたいって思っちゃダメ?」
🌟「ダメなんかじゃない!愛されたかったんだよな。いいんだ。でも今回の件については命がかかってる。それは分かってるか?」
🥞「そんなのっ…妊娠したくてしたんじゃない!」
パチンッ…
🎈「命をそんなに甘く見るな。彰人がやった事はもう取り返しがつかないんだ。それをちゃんと彰人は分かってる?彰人はまだ成人も迎えてない。その歳で妊娠して責任取れる?その赤ちゃんの責任取れるの?」
🥞「っ…」
☕「類兄さんっ…」
🌟「冬弥。命は流石の彰人でも類は怒る。ここはちゃんと彰人にわかって欲しいからここは黙っておこう。(ボソッ)」
☕「はい。ですね。(ボソッ)」
🥞「じゃあ言うけど!こんなんにさせたの俺だけの責任じゃない!」
🎈「…どういうことだい?」
🥞「類兄さ、俺の事嫌いだったんでしょ。」
🎈「は?」
🥞「司兄とか冬弥兄には何か失敗しても笑って許すくせに俺には怒ってくるし、俺の嫌いなご飯たくさん出てくるし…それにっ…それに、」
🥞「愛してくれなかったじゃん。」
🎈「僕は…彰人の事愛してた。」
🥞「嘘に決まってる!愛してくれなかったから俺の欲求は満たされなくて男に近寄って妊娠してんだろ?!他のみんなもそうだ!」
🥞「甘えさせてくれなかったっ…好きって言ってくれなくなった。ハグもしてくれなくなった。まだ俺は子供だよっ…おやすみのハグもしてくれないと嫌だ!好きって言われたいし甘えたかった!なのにお前らがっ…そんな目で見るからっ…」
🥞「俺は、愛されたかっただけなんだ、」
彰人の欲求はただ増えていくばかりで満たされなんてしなかった。
彰人が欲求深い事は正直分かってた。
いつまでも子供のままでいさせるわけに行かなかったからおやすみのハグもしなかったし好きとも言わなかった。甘えさせるなんていつまでも子供のままだから。
嫌いな物も大人になるためになるべく食べさせたし甘えてこようとしたら避けたりした。
彰人の言うことは間違いじゃなかったしなんとも言えなかった。
🥞「…もう今回のことで分かった。類兄達は俺の事嫌いだったこと全部分かったから。もう今日は1人にさせて。」
🎈「まだ話が終わって…!」
バタンっ…
🎈「…どうしようねぇ、司。冬弥。」
☕「…こうさせたのも俺たちのせいなのかもしれませんから責任は俺達も取らなければいけないですね。」
🌟「…後は彰人が産むのか…降ろすのか。」
🎈「僕は降ろす方を進めるよ。彰人はまだ学生だ。学校でも噂になっていじめられても嫌だしね。」
☕「…俺もそうですね。」
🌟「だな。明日ちゃんと話を聞こう。」
彰人の部屋
自分の腹に赤ちゃんが居るって実感何も無くて腹も膨らんでないし。
でも、検査では陽性で居ることは分かった。
類兄達怒ってた。そりゃそうだ。
でも、今回でわかった。自分が愛されてないこと否定をしなかった。
それがどうしても許せなかった。
今日は寝ることにした。
コンコン
☕「彰人。朝だぞ。」
起こしに来たのは3番目の兄。冬弥兄だった。
冬弥兄なら分かってくれないかな。
3番目なんだから冬弥も最初のうちは愛されなかったんじゃねーの。
知らないけど。
☕「彰人。起きてるんだったらご飯食べに行こう。」
🥞「いい。」
☕「…昨日は類兄さんを止めれなかった。怒られるの嫌だったよな。」
🥞「…分かってんなら、…止めろよ。」
☕ 「…お腹の中に命があるってことはそういうことだ。自分ともう1つの命を守っていかなきゃ行けない。それを類兄さんは言いたかったんだ。」
🥞「…そんな事…わかってんだよ、けどそんな妊娠なんてした事ないんだから…」
☕「でも俺は…正直おめでとうって思った。それが素直に言えたら良かったな。でも、未成年妊娠は簡単におめでとうなんて言えないんだ。」
🥞「は、いいよ。もう、分かってる。俺は1人でやってく。冬弥兄達に何も言われなくたって1人でできる。」
☕「もしかして、産む気か?」
🥞「あぁ、はは、名前何にしようかな。男の子かな女の子かな。俺だったらちゃんと愛してやれるのに…」
☕「彰人!聞いているのか?産むのか?」
🥞「は、?産む以外の選択あんの?」
☕「まだ学生だろ?降ろすんじゃ…」
🥞「俺の子は俺が守ってくんだ。冬弥兄になにか言われる筋合いは無い。俺の子供だから。初めて愛してやれるんだから。」
🥞「きっと俺の子だから愛されたいんだよな。沢山遊んでやりたいな、やりたいことやらせてあげたいな。」
☕「彰人…」
ガチャ
🎈「遅いから見に来たけど…」
☕「類兄さんっ…彰人が…」
🥞「はは、きっと俺の子だから可愛いんだろうな、みんなに愛される子になって欲しいな、」
☕「…彰人が、独り言ばっかりで、…それに産むって…」
🎈「…あぁ、これは…まずいね。」
ガチャ
🌟「遅いぞー?何を…」
🎈「司。彰人が産むって…」
🌟「…は?」
🥞「あははっ、名前何にしようかな、愛される子になって欲しいから…」
🎈「彰人!」
🥞「…何?」
🎈「もしかしてだけど、産む気でいるの?」
🥞「…そうだけど?」
🎈「降ろすんだ。絶対。」
🥞「は、?何言って、」
🎈「まだ間に合う。お金ならある。産んだらどれだけ大変か分かってるのかい?」
🥞「…分かってるよ。俺と子供の邪魔しないで。1人で産めるから。」
🎈「本気で言ってるのかい?」
🥞「…本気も何も、産む以外ありえない。」
🎈「…今日は4人でちゃんと話そう。ご飯冷めるから気持ちが落ち着いたらでいいから来てね。待ってるから。」
🥞「…」
そしてぱたた…と部屋を出ていった。
産んじゃダメなの…?
リビングに来るともう3人は食べ始めていた。
席に座ると自分は違うご飯ということに気づいた。
お粥…?あぁ、腹の子の事を気遣ってくれているのか。
少し感謝をして黙って食べた。
自分が食べ終わるとみんなはもう食べ終わっていて皿を洗った後類兄に席に座って。と、呼ばれた。
🎈「彰人。本気で産むつもりなのかい?」
🥞「…当たり前だろ。」
🎈「降ろすって1mmでも考えなかった?」
🥞「産む気しかねぇよ。なんで降ろすんだ。」
🎈「彰人は今何歳?まだ17歳だよ?学校で噂になるのもあっという間。いじめられてもおかしくないんだよ?」
🥞「高校は、…辞めるつもりだった。」
🎈「中卒で彰人には何が出来るの?今世の中は中卒だと何も出来ないんだよ?」
🥞「…金は…余裕にある。子供も養えるお金なんて余るほどある。」
🎈「僕達は何も貸せないよ?それでも彰人にお金はあるの?バイト代だけじゃ子供を養うなんて無理だよ?」
🥞「…今だから言うけど…俺さ、パパ活してた。だから金なんてなんぼでも出るんだ。」
🎈「…っ、」
☕「彰人…」
🌟「…嘘、だろ、」
🥞「体売るだけで金なんて何円でも貰えるんだよ。その中で前たまたま妊娠しただけ。経験人数なんて100余裕で超える。」
🥞「俺の銀行には800万くらいある。俺が我慢すれば子供なんて養えるし産んでからまた体売ればまた追加で何円でもっ」
🌟「…いい加減にしろ。」
🥞「…、」
🌟「体を売った?800万?正気か?」
🥞「はは、弟がパパ活してて気でもおかしくなったか?笑」
🌟「…まず、体を売ったって…」
🌟「はぁ、…彰人。服脱げ。」
🥞「あ?なんで?」
🌟「いいから。」
🥞「はー、」
ぱさっ、…
体には噛み跡やキスマ。少し前にペンで書かれた下ネタなんかが残っていた。
🌟「パンツ以外も全部。」
🥞「…」
特に太ももはやばかった。
「正」という漢字が何個も書いてある。
中々ペンの跡が消えなくて隠してたけどやっぱりバレるんだな。
🎈「…ねぇ、この字誰が書いたの?彰人が書いたのかい?」
🥞「…相手。俺が書くわけないだろ。」
☕「…彰人。嫌だったらいい。パンツも脱いでくれ。」
やばい。バレたか。
そう、俺は女で言う子宮辺りにタトゥーが入っていた。
しかも結構エロい。まあいつかはバレるんだし正直怒られても喰らわないから見せた。
🌟「それ、タトゥーだろ、」
🥞「そうだけど?」
🎈「タトゥーは消せないんだよ?」
🥞「別にいいだろ。めんどくさいな。自分の体なんだからいいだろ。」
☕「体を傷つけるのはっ…ダメだろう?なんで、そこまでして…」
🥞「はぁ、愛されたかったの。それだけ。みんなこれみたらすぐガッチガチにして挿れてくれるんだもん!」
🎈「彰人。赤ちゃんちゃんと自分で守れる?」
🥞「守れる。」
🎈「じゃあさ。」
ばんっ…
🥞「はっ…、!?」
🌟☕「類!/類兄さん!」
俺は今類兄に腹を殴られた。
とっさに腹を守った。赤ちゃんが死んじまう。殺す気か?やっぱり降ろして欲しいんだ。
🥞「けほっ、なんで、…殺そうとするの、?」
🎈「試したんだ。ちゃんと子供を守れるかって。」
🥞「いま、殺す気でやったでしょ?」
☕「…類兄さん。お腹はダメです。それにその勢い。殺す気だった。」
🌟「類っ…お前何を考えて…」
🎈「自分の管理もできないくせに子供を産む?産まれた子供の気持ち考えた?その子供には父親が居ないんだ。逃げられて。」
🥞「うるさい!(大声)」
🥞「お前に俺の何がわかるんだよ!愛されなかった俺の気持ち分からねぇだろ!お前は俺の腕見たことあるか?これ、俺が小学生の時お前らが甘えようとする俺を避けてそれが辛くて自分で切った傷跡だ。今考えたらよく俺あんなの耐えてたよ!」
🥞「もう俺の子供にはそんな思いして欲しくないから俺が愛してやりたいの!この腕の傷も全部埋まらなかった心も俺の子にはさせないから!」
🥞「…お願いしますっ、…もう俺の事捨ててもいい、腹以外だったら殴っていい。だから、だからこの子を産ませてください…」
初めて甘えて泣いてお願いした。
この子だけは愛してあげたい。1人の子供を愛したい。って。
🌟「…類。どうなんだ?」
☕「…」
🎈「はぁ、じゃあ約束して。1人で抱え込まないで僕達を頼る事。お金は何とか僕達も出すから。彰人の子供を産みたい気持ちはよく分かった。」
🥞「…ほんと、?」
🎈「うん。さっきはお腹も殴ってごめんね。痛かったよね。それに、今まで愛してあげれなくてごめんね。いつまでも子どものままで居させるのが怖くて…甘えさせてあげれなかったね。もう甘えていいんだよ。彰人はまだ子供だ。」
🥞「類兄っ…泣」
☕「ふふ、解決してよかった。でもあの体どうします?」
🌟「ペンの跡やキスマは消えるだろうがあのタトゥーは…どうするものか…」
☕「ですね。でも一番怖いのはつわりとかですね。彰人が耐えれるんでしょうか…」
🌟「彰人なら乗り越えれると思うが、男性妊娠はつわりが酷いと聞くからな。」
☕「…今の医学の技術ならつわりの薬でもあるんでしょうがそんなお金あるんですか?」
🌟「まぁ、ないことはない。外国のお母さん達からお金が要らないほど来るからな。」
☕「あぁ、向こうのお母さん達に彰人の妊娠って報告します?」
🌟「あぁ…した方がいいだろうが、父親がな。めんどくさい事になるぞ。」
☕「なら報告はなしですかね。」
🌟「だな。それにしても将来が楽しみだ。どんな子が生まれるんだろうな。」
☕「楽しみです 笑」
END
これ続きあります(多分)
先生×生徒投稿出来なくてごめんなさい、、
感想くれると嬉しいです😸
おつたに!!