テラーノベル
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九さんと軽く打ち合わせしてから、私は自室に引っ込んでパソコンを立ち上げた。三越伊勢丹のショッピングサイトを開き、1個が小さくておいしそうなお菓子を片端からカートに放り込んでいく。和菓子カテゴリと洋菓子カテゴリ、両方とも漁らなくちゃ。 コーヒーも煎茶もよさそうなのを全部買い、ついでに紅茶もよさそうなのをいくつか買った。コーヒーについては、三越伊勢丹はブルーマウンテン推しだったけど、他にもいいコーヒーはあると思ったので、他のサイトも漁ってコピ・ルアクとパナマゲイシャも買っておいた。ヤカは隣にいてくれて、掛川さんがお中元やら何やらでもらっていたお菓子やお茶を教えてくれ、掛川さんがもらってたものなら悪いものの可能性は低いので、それらも買っておいた。
一段落して、私は大きく息をついた。
「あさってか、しあさってくらいには届くから……薄荷ちゃんに注文内容渡して、Excelで費用集計と点数集計のシート作ってもらって、届いたらみんなで味見して評価しよう」
明後日も明々後日もシルバーウィークでド休日だけど、この件に関しては、九さんから薄荷ちゃんと矢車ちゃんを存分に使ってくれと言われている。動けるところでは動いてもらおう。
ヤカが不思議そうに首を傾げた。
{Excelと言うのは、矢車氏のほうが得意なのではなかったか?}
「そうだけど、手を動かさないと覚えないじゃん。矢車ちゃんには補助に回ってもらって、薄荷ちゃんに手を動かさせて覚えさせたいの」
{なるほど}
お菓子の点数は各々手元の紙に書き込みたいから、表作ってプリントアウトするのもこの機会に覚えさせよう。あとは……。
「えーと、飲み物はちょっとずつ注ぎ分けて味見したいから、使い捨てのちっちゃい紙コップほしいな、これは矢車ちゃんに駅前で買ってきてもらおう。あとは紙皿もほしいかな、切り分けて食べるお菓子もあるもんね」
{紅茶についてはティーポットがあるが、煎茶については急須がない、掛川氏が割ってしまった}
「マジか、じゃあそれも買ってきてもらおう」
{コーヒーについては、今あるコーヒーメーカーがいいものなので、下手なハンドドリップよりうまく淹れられるだろう}
「助かるー! 確かにあのコーヒーメーカーで淹れたのおいしいわ!」
館にあるものはヤカのほうが詳しいもんね、いろいろ聞こう。そう思っていると、ヤカはさらに言った。
{食器については、掛川氏が半分投資で買い漁った高級アンティークの皿がずいぶんある。今そこからよいものを見繕っている}
「へ? 今?」
ヤカここにいるのに?
「えっ、どうやってやってるの?」
{厨房に染み込んでいる部分の私で、今やっている。並行作業は得意なんだ}
「ええー!? そうなんだ!?」
{館の手入れも、いつも何部屋か同時に進めている}
「へえー、すごー……」
マルチタスクにも程があるな……。
{湯飲みは、マイセンのものが数組ある。和菓子に合う皿は、あなたの祖母が使っていた茶席用のものから探す}
「うわー、何から何までありがとう! あっでも食器は九さんとも相談してほしいな、あと、食器の候補はあっていいけど、出すお菓子が決まってからちゃんと食器決めたほうがいいかも」
{承知した}
そして、私はふと気づいた。
「ヤカ、九さんと話すのは平気なの?」
前の顔合わせのとき、だいぶビビってたけど? 矢車ちゃんや薄荷ちゃんにはだいぶ慣れたみたいだけども。
6
マキ
100
#あやかし
がくじゅつてき・あかげ
1,186
ねこさん⛄️
3,517
ヤカが答えるまで、一瞬の間があった。
{……以前と違って、私はそれなりに人らしい姿になれるようになったし、あちらも私を妙な目で見てはいないから、努力する}
「努力は必要なんだ……」
まあ……館にあるものに一番詳しいのはヤカなんだから、頑張ってもらうしかない。もちろん、私もできることはするけども。でも、今日はこれでおしまい! 体力切れ! すべては明日以降に回そう!
コメント
1件
おお、第50話お疲れ様!準備フェーズって地味だけどめっちゃ大事だし、こういう細かい心意気が後々効いてくるんだよな。三越伊勢丹でお菓子とお茶をがっつり仕入れて、コピ・ルアクやパナマゲイシャまで網羅してるの、こだわり感じるわ。 ヤカのマルチタスク能力「今厨房でやってる」ってとこ、思わず「ええー!?」ってなった。館の手入れと並行って、もはや超人やん。でも九さんと話すのに「努力する」って言うヤカの控えめなとこ、ちょっと愛おしい。 次は実際にみんなで試食会か。薄荷ちゃんにExcel覚えさせるのも含めて、楽しみにしてるわ🔥