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「陛下!」 思わず叫んでしまったが、目を開けると数十発の銃弾を被弾したはずなのに、陛下はまだ倒れずに立っている。
銃弾は確かに陛下の体に命中している。だがパチンコ玉のように陛下の体に当たるだけですべて弾き返されている。
「真琴、なぜおまえまで驚いている? 防御魔法をかけたと伝えてあっただろう?」
防御魔法をかけると戦闘力が半減するはずでは? ふだん通りに敵を圧倒しているから、防御魔法をかけていないのだと思い込んでいた。やはりこの人の強さは常人には計り知れないようだ。
「わたくしの想像と違ったので……。わたくしの防御魔法は銃弾の威力を半減させる程度です」
「それは魔術の完成度が低いだけだ。そもそもその程度の防御魔法でしかないなら、銃弾が当たったら死ぬかもしれないではないか」
「おっしゃる通りです」
「仕方ない。余が本物の防御魔法をかけてやる。世話のかかるやつめ」
「ありがたいですが、さらに戦闘力が落ちるのでは?」
「誤差の範囲だ」
陛下は瞬間移動してきて、わたくしにも防御魔法を施した。
「すごすぎる……」
慎司の声だろうか。スマホの向こうからそんな声が漏れてきた。
「さてそろそろお楽しみの時間とするか。余はふだん偉ぶった人間が絶望の表情で泣き叫ぶ姿を見るのが大好きなんだ」
この国に女子高生は百万人以上いるのだろうが、そんなセリフが似合う者はほかにいないだろう。
陛下が女子高生とは思えないような邪悪な笑みを浮かべる。そして、処刑の時間が開始された――