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風鈴高校 1年1組のクラスにて
桜「あいつ、結局何だったんだよ…」
蘇枋「桜くん、あんまり気にし過ぎても気疲れするだけだし そのことは少し忘れよう?」
何故桜が深刻そうな顔をしているのかというと、それは昨日の事
昨日、桜達は水族館に行っていた その時輩に絡まれている青年を助けたのだが
その青年があまりに不審な振る舞いを見せたため、警戒してしまっているのだ
桜「忘れるっつっても、アイツが何処の何奴か分からねえうちは 警戒するだろ 普通」
その青年が敵か味方か、謎は深まるばかりである
そんな時だった
楡井「た、たたた大変です桜さん!蘇枋さん!」
何やら慌てた様子の楡井が教室に飛び込んできた
桜「な、何だよいきなり飛び込んできて」
蘇枋「とりあえず一旦落ち着こうか」
そういわれ深呼吸をし、自身の頬を思いっきり打ち首を大きく振った
桜「それで、大変って何がだよ」
楡井が落ち着いた辺りで桜が本題へ入ろうと質問をかえす
そして高鳴る胸を押さえながら楡井が語り出した
楡井「そ、それが昨日の長髪の人‼︎かなりの有名人だったんっすよ!」
桜「は?有名人?」
楡井「そうです!それで、今その人が…‼︎」
楡井が最後まで話そうとした次の瞬間、ガラリと教室の後ろ戸が開き
とある人物が入ってきた
小倉「__あれ?多聞衆のクラスここだっけ?」
それは先日出会った、長髪の青年だった
その瞬間、他生徒達の視線が一気に青年に集まる
そして恐らく楡井は、先日出会った彼が今、
風鈴に来ており、その青年が不良界では有名な人間というのを伝えようとしたのだろう
それを見た桜が椅子から飛ぶ様に立ち上がる、蘇枋は座ったまま青年を見つめた
楡井はというと、青年を見るやいなや「あわわわ」と取り乱した様子
桜「お前、何しにここに来た」
桜はギラリと青年を睨みつける、過去の経験故か
風鈴に攻め入った人間の面影を彼に重ねているのだろう
だが青年はそれを何とも思わないでいるのか、ニコニコ笑いながら答えた
小倉「も〜前も昨日もいったけど、桜くん警戒し過ぎ 俺クンは別に喧嘩しに来たんじゃないよ、ただ梅に用があるだけ」
その言葉にハッとなる、確信はない
だが嘘をついているとは思えない、そう考えていた次の瞬間だった
ガバッッと、誰かが青年の肩を後ろから鷲掴んだ
その瞬間、余裕シャキシャキだった青年の表情が 微笑みを浮かべたままみるみる青ざめ
額と頬に冷や汗が流れる
小倉「あーこの感じ懐かしいな~アハハ………やぁ、柊サン」
振り返るとそこには鬼の形相を浮かべた柊が立っていた
桜達を含めた他全員がポカンとした表情になる
そして前を向き直した青年が口パクで桜達に「 へ ル プ 」といった
蘇枋は何か察したのかその様子をニコニコしながら見守る、楡井も大変だという表情をしている…
小倉「アッハハハいやー怖いなー、気づいたらー背後取られてるんだもんなーハハ」
柊「小倉ぁ…お前は何度言ったら分かんだよ、いつも唐突に来んじゃねえよ!1年にもまだ顔合わせた事も無えだろ、混乱させてどうすんだ!」
小倉「ヒィィ、助けて梅えぇっっ」
表情こそ笑顔のままだが、明らかに柊に怯えている
何せ足がガクガクと小刻みに震えている上、顔も真っ青だ
桜達はますます状況が理解出来なくなっていた
続く