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#ヒューマンドラマ
澪
134
#相談女
澪
218
ある日、サユリがいつも通り出勤すると美香が見覚えのないバッグを肩にかけているのが目に入った
「あれ、美香そんなバック持ってた?」
美香は、目を輝かせ誇らしげに口元を綻ばせた
「あぁこれ?実は私の企画が通って商品化されることになったから自分へのお祝いで買っちゃった!」
同じ「笑顔」でも対照的に サユリの笑顔は極限まで引き攣る。
(美香が企画したものが商品化⁉)
「そ…そうなんだ…へ、へぇ…」
その日は仕事にならなかった。
美香がいる部署 美香がしてる仕事…
それはずっとサユリが手に入れたかったものだった。
サユリは矢も楯もたまらず部署を飛び出し親指の爪で頬をガリガリと削る
(美香が浴びてる賞賛も持ってるバッグも私の方が相応しいのにどうして地味で可愛くないあの子が持ってて、私が持ってないの⁉)
帰宅後
サユリは電気をつけることすら忘れスマホを引きずり出し必死に美香のバッグを検索した。
売り切れ
「あの子よりいいバッグを買ってやる」
するとピンクの小さなショルダーバックを見つけた
「これよ一点物 五十万…! 美香のバッグよりずっと高い!これで美香に勝てる‼」
要らない 全然好みじゃない。だが指は勝手に決済画面へと進んでいた。
しかし決済エラーの画面が表示される。
「そんな…‼こんな時に限度額いっぱい⁉」
サユリは頭が真っ白になり慌ててボーナス払いに設定しようとした。
しかし。
「え…コレって百万円まで即日融資…⁉」
サラ金でも構わない。美香に負けるわけにはいかなかった。
数日後。
サユリの家のインターホンが鳴る。
「山取さーん お届け物でーす」
サユリはバッグを受け取りパッケージを破くように開ける。
「ふふふ…これで美香に勝てる…これに合う服と靴も買わなきゃ…」
サユリは目の焦点が合わず狂気を孕んだ恍惚とした笑みを浮かべバッグを見下ろしていた。
コメント
1件
読了しました。第4話、サユリの焦りと嫉妬がひしひしと伝わってくる回でしたね。美香の「同じ笑顔」なのにまったく違う表情の描き分けが巧くて、サユリの強迫的な感情にぞっとしました。自分に似合わないバッグに執着して、借金してまで手に入れる——その「勝利」がすでに空虚な象徴になっているのが切ないです。最後の狂気を宿した微笑み、続きが気になります。