TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

――翌日。


「……というわけで、新しく生徒会に”相談役”として夏城赤奈さんを迎えることになりました。学院での困り事があったら彼女になんでも相談してくださいね」


月に一度の生徒会主催全校集会。

爽やかな笑みでマイクを握る会長こと冬星に震えが止まらない。

表向きは相談役、その実態は雑用係。


「えーっ! 羨ましい!」

「あの生徒会に入れるなんて……何が秀でている方なのかしら?」

「親が有力な財閥とか?」


すみません、何も秀でてないし”親”はすごく立派で患者に優しいけど普通の看護師なんです。


「そういえば夏城赤奈って、入学時の寄付金ランキング入ってたよな」

「夏城とか聞いたことない名前だけど、財力あるんだ?」

「いやーでもバイト掛け持ちしてるって噂だし……」

「どういうこと???」


ふと耳が拾った噂に、自然と歯の奥をギリッと噛んでいた。

“あの男”の話はもう思い出したくなかった。


私の父親は――。



「それでは夏城さん、みなさんに一言意気込みを」

「えっ、あ……!」


横を向くと、爽やか王子スマイルで威圧をかける会長。

やばい完全に意識トんでた……。


というか、意気込みとか聞いてないんですけど!?

お前はただ間抜け面晒して突っ立ってろって言いましたよね?!


うわ全校生徒に見られてるし何か言わなきゃ……!


「はじめまして、1年C組の夏城赤奈です! 皆さんの困り事をお助けしたいと思って生徒会に入りました!(ウソ) 先生も生徒の皆さんもお気軽にご相談ください!(ウソ) ドーンと赤奈にお任せあれ〜!」


……ってあれ?

なんかシーンとしてるような……?


「ふふふ、とても熱心な方なのねぇ」

「つーか悩みなんて全部執事が解決してくれるのに、必要ある?」

「あんなに叫んで……品のない」


お、思ってた反応と違う……。

もっとこう、うぉぉぉ生徒会メンバー爆誕!頑張れー!とかそういうの期待してた……。


「あ、まぁ……そういうことなんで……」


若干尻すぼみになりながら、とぼとぼと舞台袖へ向かう。



なんかもう駄目そうかも〜〜〜学園生活〜〜。

ウラガワ☆ダーリン

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

10

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚