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「ねぇ………」
「助けてくれないの………?」
「嫌だ……置いていかないで……!」
「ねぇ……助けてよ!」
「いっ………いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
「っ!夢か……。」
最近あの夢を見る。どんな子なのかは覚えていない。誰なのかも分からない。俺は普通の中学生だ。母子家庭だけど、母さんも愛情深く育ててくれている。
階段をおりると、母さんがいた。
「母さん、おはよう」
俺の家は貧乏で、カメラも買えなかった。だから、父親の写真も無いし、俺の小さい頃の写真も無い。父さんの顔は見てみたかったけれど、こんな優しい母さんを捨てた父さんの事は大嫌いだ。
母さんはおはようと返すと、ご飯を出してくれた。食べ終わったら学校に行かないと…
「いってきます!」
いってらっしゃいと言う母さんはいつもと全く同じだった。
いつもと同じ様な顔でいつもと同じ様な声で。
いつもと同じ時間に
いつもと同じ道で
いつもと同じ歩幅で
いつもと同じ様に居たのに
俺は何かしたのか…?
家に帰ったら母さんはいなくて
変わりに俺を殴った男がいた
「うぐっっ!」
俺は心配だった
「母さん…母さん…?」
「母さんを…
お前が母さんをどこかにやったのか!?」
でも、男は笑った。男は言った。お前はあの女を母さんだと思ってるのか?と。あいつとは本当の親子じゃないのに。ただ、借金を背負わせるためだけの人形だと。
また、男は笑った。
俺に殴りかかった。
俺は
気絶した
嘘だろう
そんなわけない
俺は母さんと昔から
昔から………?
俺に…昔の記憶なんか無い…
そんな……
嘘だ
嘘だろう
気づいたら公園のベンチで寝ていた
起きたらあの声が出迎えた
「大丈夫?」
俺が夢で聞いていた声が。
目を開けるとそこには
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