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「君は…誰?」
そこに居たのは、全く知らない女の子だった。
上質な白いワンピースに、白く輝く髪の毛。それに、俺に瓜二つな瞳を持った女の子。
その姿は人形の様で、とても儚く、直ぐに壊れてしまいそうだった。
彼女はとても傷ついた顔をした。
「私のこと…分からない……?」
彼女が知るはずが無い俺の顔を見て聞く。
首を横に振ると、その瞳は段々と曇っていく。
「ごめんなさい。」
俺が謝ると、そっくりな瞳から雨が降り出した。何処かで見た事があるような、
俺の心に空いた穴の形と同じような、
そんな気はした。
でも、俺は彼女のことを知らない。こんなに美しく儚げな彼女のことを、1度見て忘れるわけが無い。
だけど、この声は、間違え用がないあの声だ。
俺がいつも聞いている声。何故だろう。
「そっか……」
そう言って俯いた彼女は美しくて、思わず一目惚れしてしまった。
「あのっ、お名前は…」
「………月雫 優里香…です…」
月雫………優里香……素敵な名前だ。
咄嗟にそう思った。
でも、やっぱり俺の知らない人だ。
「私の事、本当に分からないんですか…?」
「……(頷く)」
「そうですか……」
俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「何故ここに……?」
今度は不思議そうな顔をして聞いてくる。
「…………」
ここまでの話を彼女に伝える。
俺は、昔から母さんの子供だと。そう言った時には、彼女の瞳は動揺と悲しみで激しく揺れていた。
「分かりました。では、今から家に来て頂けますか……?」
「はい。どうせ帰る場所も無いですし。
母さんを探すのにも………………。」
母さんと口に出す度に彼女の瞳は揺れる
なぜ?
なぜ?
「では、着いてきてください。」
そこは、とても大きな——————