テラーノベル
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3年になってから、周りのやつらは彼女作ったり、卒業旅行の話をしたり。
そんな空気の中でふとした瞬間、悠は思った。
——俺は、こいつと離れるのかな。
小学校からずっと一緒だった真咲。
中学の頃から少しグレだして、金髪にピアスで、学校じゃ浮いてる存在。
でも、自分だけにはいつも普通に接してくれて、
誰よりも信頼できる“幼なじみ”だった。
けど最近、そんな真咲を見ていると、
胸の奥がちくっと痛むようになった。
(……好きなのか、俺)
自分の気持ちに気づいた瞬間から、もう目をそらせなくなった。
——言ったら、気まずくなるかな。
——笑われるかな。
——でも、何も言えないまま離れる方が、きっと後悔する。
「なあ、真咲。……付き合ってみる? 俺たち」
放課後、いつもの河川敷。
缶コーヒーを飲みながら、不意に悠が口にした。
「……は? 頭湧いてんのか?」
「そ、そうだよな、ごめ……!」
「……でもまあ、別に、試すだけなら……いいけど?」
「え、マジで!?」
「うっせ、1日限定な」
「お、おう……!」
その“1日限定の彼氏ごっこ”の夜。
家にいたくないと真咲が言い出し、悠の家に泊まりに来ることに――
「風呂、ありがとな」
「あ、うん。着替え、それでいい?」
「Tシャツとスウェットで上等。てか、お前の服、なんでこんなダボダボなんだよ」
「兄貴の借りたから……。てか、真咲、その格好……」
「は? なんだよ、文句あんのか」
「いや、……なんか、エロい」
「っ、ばっ、変なこと言ってんじゃねぇ!!」
真咲の頬が真っ赤になる。
そしてそのまま、気まずい沈黙が落ちて――
「なあ、悠。……キス、してみる?」
「えっ」
「今日だけだし、別に、いーだろ。……試しってことで」
真咲が顔を近づけた瞬間、悠の中で何かがぷつんと切れた。
「試し、ね……」
ぐいっ、と首をつかんで引き寄せ、キス。
最初はふれるだけのつもりだったのに、舌が触れた瞬間、止まらなくなる。
「んっ、ふ、あ……っ!」
「声、出てんぞ。……もっと聞かせろよ」
「っ、な、なんでお前が攻めてんだよ……っ!」
「お前が誘ってきたんだろ。責任取れよ、真咲」
ベッドに押し倒された真咲が、驚いた顔で悠を見上げる。
「お前……さっきまでビビってたくせに……!」
「うるさい。……お前が可愛すぎるのが悪い」
シャツの裾から手を入れ、腹筋をなぞる。
胸元のピアスがちろっと揺れて――
「……ここ、気になってたんだよな」
「や、やめ……っ、そこはっ……!」
「嫌って顔してねーよ。ほら、こうされるの、好きなんだろ?」
「やっ、あっ、悠……っ、やばっ……!」
舌先で乳首を軽く弾いて、もう片方は指でくにくにと転がす。
びくびくと震える真咲の腰。
「……まだ挿れたりしねぇよ。初めてだろ?」
「……っ、うるせ……お前もだろ……っ」
「俺? そうだけど」
――でも、だから何?って顔で悠は微笑む。
「本能でわかる。お前が、俺のもんになりたがってるって」
「なっ……!? う、嘘……お前、ほんとに悠かよ……!」
「……どうせ1日だけなんだろ?」
「……1日だけ、なんて……言ってねーし」
そう呟いた真咲の唇を、悠がまた深く塞いだ。
ベッドの上、Tシャツの裾をたくしあげると、真咲がビクッと体を跳ねさせた。
「……や、悠……。やめろっつってんだろ……っ」
真咲は顔を真っ赤にしながら、シーツを握りしめている。
声は怒ってるのに、腰はもう逃げるでもなく、そのままで。
「……怒るとこ、違うだろ」
「ち、違わねぇしっ……あっ、ばっ……、やめ、ろ……っ」
乳首に、舌をちろ、と這わせる。
その瞬間、真咲の体がぶるっと震えた。
「お前、ここ……弱いんだ」
「っ、違っ……や、あ……っ♡」
悠はじわじわと責め続ける。
乳首を口で吸いながら、反対の手で下腹部を優しくなぞる。
「や、っ……触んな……! ……バカ、やめ、ろ……っ」
言葉と裏腹に、真咲の呼吸はどんどん荒くなっていく。
声がかすれて、目元がうるんで、下唇を噛みしめてる。
「……そんな顔、されたら我慢できない」
悠が囁くと、真咲の瞳から、ぽろっと涙がこぼれた。
「や……なんで、こんな……お前に……っ♡」
「……嫌じゃないくせに」
「や、っ……うそ……っ、俺、っ……おかしく、なる……っ♡」
足の間をひらかれて、そこに触れられた瞬間――
「んあっ、やっ……、そこ、やば……っ♡」
もう完全に崩れた真咲の声。
震える指先、ぬれてしまった布越しに、悠が囁く。
「……入れるよ、真咲」
「っ、やだ、まだ……、怖ぇ……っ」
「大丈夫。……俺が、ちゃんとするから」
「や……やさしく、して……っ」
「ああ。……でも、途中で止めねぇから、覚悟しとけ」
――ぬるっと奥に押し入る感覚。
痛みに顔を歪めながらも、声が止まらない真咲。
「っ……いたっ……あ、あぁっ……やだ……♡」
「入った……全部。真咲の中、あったけ……」
「ばっ、悠、っ……もう……、や、め、て……っ♡」
「ほんとにやめてほしいなら、ちゃんと言え」
「っ……や、だけど……、やめ、んな……♡」
「ふふ、素直になったな」
何度も何度も、奥を擦るたびに、
真咲の涙が頬をつたう。
「……やば……悠の、全部、感じて……っ♡」
「聞こえてる。……かわいすぎるって、お前」
ラストスパート、最後まで深く突き上げて――
「いっ、て、っ、あ、あぁあっ……♡♡」
真咲の絶頂にあわせて、悠も果てた。
静かな深夜。
重なったまま、二人の息だけが部屋に響いている。
「……明日も“彼氏”やってくれる?」
「……知らねぇよ。……でも、今日だけってのは、ナシな」
「うん。ずっと、俺の隣いてよ、真咲」
「……バカ」
真咲は顔を隠したまま、そっと悠の手を握り返した。